隠しカメラが仕込まれていたコンセント（23日付CNNブラジルの記事の一部）

　北東部ペルナンブコ州にある、熱帯魚が泳ぐ美しいミニ水族館のような磯のタイドプール（潮だまり）で人気のリゾート地ポルト・デ・ガリーニャスを旅行中の夫婦が、宿泊していたホテルの寝室で隠しカメラを発見した。カメラは壁面テレビの下のコンセント内に仕掛けられており、ベッドの方向に向けられていた。二人は13日から滞在していたが、機器を発見したのは3日後の16日だった。22日付G1サイトなどが報じている。 　事件はリゾートホテル「OKAビーチ・レジデンス」で起こった。16日の午後、妻がテレビ付近から発せられる異音に気づき、その発生源であるコンセントの中に点滅する光を見つけ、不審に思って携帯電話の懐中電灯を当てて調べたところ、それが小型カメラであることが判明。 　インターネットでそのカメラを画像検索したところ、オンラインで販売されている「スパイカメラ」であり、インターネット経由で録画のリアルタイム送信も可能であることが分かった。このコンセントは厚みのある木製のパネルで覆われていてプラグが差し込めず、使用ができないようになっていた。 　カメラの発見後、二人はすぐにホテルの管理者に連絡し、警察に被害届が出された。一緒に旅行していた友人夫婦の部屋も探したが、類似の装置は見つからなかった。 　警察によると、隠しカメラにはメモリーカードが取り付けられており、設置した目的はベッドシーンを盗撮するためであった可能性が高いとしている。装置をいつ、誰が設置したかなどは現在捜査中だが、事件は「性的プライバシーの不正録画」の罪で責任を問われる可能性があり、罰金の他に懲役6カ月～1年が科せられる。 　夫婦の弁護士によれば、「同件は非常にデリケートな問題で、妻は画像が公にされることを恐れ動揺し、精神科医によるサポートを必要としている」と語り、夫婦が匿名を希望している旨を明かした。 　被害者夫婦は、ホテルを管理するカルペ・ディエム社と、宿泊予約したプラットフォームであるブッキング・ドットコム社を提訴することを検討している。弁護士によれば、「この場合、責任は管理者側にある。部屋の安全を確認することを怠ったホテル側、また安全性が存在しない宿泊施設を登録し、販売したブッキング・ドットコム側が責任を負うべきだ」と主張している。 　また、盗撮画像が漏洩したり、不正販売されたりするのを防ぐために法的措置が講じられると説明した。このホテルの宿泊料金は、1泊あたり約750レアル（約2万2500円）だ。 　CNNの取材に対し、カルペ・ディエム社は「この種の犯罪行為を非難する」と述べ、「（被害者である）ゲストと警察当局に対して全面的な支援を行う」と述べた。 　一方、ブッキング・ドットコム社は、この事件を遺憾に思うと述べた上で、宿泊施設の情報を検証するプロセスを重要視しており、プラットフォーム上で公開される前に、細かな物件チェックを実施していると強調した。