【オーストラリア】豪3月小売売上高0.4%減、インフレ影響再び
豪政府統計局(ABS)が4月30日に発表した2024年3月の小売売上高(季節調整値)は、356億6,330万豪ドル(約3兆6,519億円)と前月比0.4%減となった。前月は米人気歌手テイラー・スウィフトさんの国内公演で消費が押し上げられたが、一時的な現象に終わった。高インフレによる生活の圧迫が、消費者に再び影響している。【NNAオーストラリア編集部】 前年同月比では0.8%増だった。 項目別(前月比、季節調整値)では、◇食品:143億2,690万豪ドル(0.9%増)◇家庭用品:56億1,130万豪ドル(1.4%減)◇衣服・靴・アクセサリー:29億5,590万豪ドル(4.3%減)◇デパート:18億9,190万豪ドル(1.6%減)◇カフェ・レストラン・持ち帰り食品サービス:53億9,390万豪ドル(0.2%減)◇その他:54億8,350万豪ドル(0.3%減)――となった。依然として高水準のインフレを背景に食品など生活必需品への出費が増えた一方、裁量的支出の対象がいずれも減少した。 地域別では、◇ニューサウスウェールズ州:110億6,150万豪ドル(1.1%減)◇ビクトリア州:91億8,680万豪ドル(0.8%減)◇クイーンズランド州:73億5,520万豪ドル(0.4%増)◇南オーストラリア州:23億1,200万豪ドル(0.4%減)◇西オーストラリア州:40億2,340万豪ドル(0.6%増)◇タスマニア州:7億1,930万豪ドル(0.2%減)◇北部準州(NT):3億3,110万豪ドル(0.9%増)◇首都圏特別区(ACT):6億7,400万豪ドル(0.3%増)――となった。 ■今年後半に回復か ABSで小売り統計を統括するドーバー氏は、「消費者は生活費の増大が継続している中、3月は支出を再び控えた」と指摘。年率での伸びは、新型コロナウイルスの感染流行期間中や00年に消費税(GST)が導入された時期に続く低調な結果だったと説明した。 オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)のエコノミストは、市場予測は前月比0.2%増だったと指摘。減少は予想外だったとしたものの、7月に行われる所得税減税の第3段階を背景に今年後半の小売売上高は回復すると予想した。