阪神・梅野隆太郎、笑顔なき今季初マルチ打点「負けたことが悔しい」
(セ・リーグ、ヤクルト6-5阪神、11回戦、阪神6勝5敗、30日、神宮)勝てば打のヒーローの一人だった。阪神・梅野隆太郎捕手(33)は今季初のマルチ打点で存在感を示したが、4点差をひっくり返されての逆転負けに笑顔はなかった。 【写真】阪神・梅野隆太郎は六回にも左前適時打を放つ。今季初の2打点以上だったが、逆転負けを悔やんだ 「(2安打を放った)打席、どうこうというよりも本当に負けたことが悔しい」 ベンチからクラブハウスへ向かう途中、歓喜にわく燕党を横目にグッと唇をかみしめた。 まずは大山の先制弾が飛び出した四回2死一塁でサイスニードの直球を振り抜き、左中間フェンス直撃の適時二塁打。「しっかりといいスイングができた」という納得の一打で、一走・前川を本塁に迎え入れた。 2-1の六回には2死から佐藤輝が右中間を破る二塁打を放つと、続く梅野がスライダーを左前へ。貴重な追加点となる適時打に、一塁ベース上で喜びを爆発させた。 今季もリードはもちろん、ブロッキング、肩では魅せてきたが、打撃は打率1割台に低迷してきた。5月下旬から6月上旬にかけては23打席連続無安打とドン底だった。捕手陣の打撃が振るわないことも、チームの得点力が上がらない一因に違いなかった。チャンスで打てず「本当はバットで、もっともっと投手陣を援護したい」と漏らしたこともあった。 6月最後の一戦で快音を響かせ、あとは勝利のハイタッチのときを迎えるだけだったが、まさかの暗転。「(勢いを)止められなかった。それが一番でかいよね」。リリーフ陣を導けずに自分を責めたが、前を向くしかない。2日からの広島3連戦(マツダ)こそは、攻守で体を張って白星へたどり着く。(三木建次)