元大手銀行「リストラ課」が明かす、“お金が逃げていく”3つの行動
働けど働けど、我が暮らし楽にならざり。ぢっとスマホから預金残高の画面を見ている人は多いだろう。この物価高と円高もありながら、なぜかお金が貯まらないのは、もしかしたら何気なくとっている行動のせいかもしれない。 自分の癖に気付き、少しだけ行動を変えるだけで、自然とお金が増えていくのだ。 筆者(綾部まと)は新卒でメガバンクの法人営業部門に入行し、8年間に渡り中部地方と東京の某支社の営業、丸の内本部でのトレーニーを経験した。「問題先・破綻懸念先」と呼ばれる赤字先・債務超過先を集約した、通称「リストラ課」での業務歴もある。 そこでは、お金との付き合い方が下手な経営者を数多く見てきた。この経験から、お金が逃げていく3つの行動をご紹介する。
お金が逃げていく行動①「自分のお金の流れを把握していない」
お金が逃げていく人の一番の特徴は「いくら稼いで、いくら使ったか」という収支を把握していないことだ。 収入と支出のバランスがわからないと、どれだけ貯金できるか、どれだけ借金があるか、などが見えてこない。その結果、無駄遣いや衝動買いを繰り返してしまう。収入に見合わない生活水準をリボ払いでなんとか維持すると、返済と利息で苦しむことになる。 筆者が担当していた問題先の社長には、このタイプが一番多かった。頼れる副社長や経理がいれば良いのだが、「誰も会社の金の出入りを把握していない。税理士だけが知っている」という、恐ろしい状況にも何度か遭遇した。 従業員への給料未払いや税金の滞納が発生すると、銀行のデータに記録が残り、信用度が下がってしまう。一度失った信用は簡単に取り戻せるものではなく、融資の条件も不利なものになるという悪循環が生まれてしまう。 収支を把握するためには、家計簿をつける、銀行口座やクレジットカードの残高を定期的にチェックする、などの習慣を身につけることが必要だ。今では家計簿アプリが数多く出ており、データを連携すれば収支を簡単に把握できるので、導入することをお勧めする。