【高校陸上】女子棒高跳・柳川美空(前橋育英高)やり投・北口榛花のように世界で活躍する選手を目指す
活躍中の注目高校アスリートをフォーカスして紹介するコーナー!今回は女子棒高跳の柳川美空選手(前橋育英高3群馬)です。今季は念願のインターハイ優勝に加え、日本選手権や鹿児島国体(成年)では、いずれも2位と健闘しました。高校卒業後は、日本から羽ばたいてより高いステージを見据えているようです。 柳川美空選手のプロフィールをチェック!
全国大会初入賞が中3の日本選手権
――2023年を振り返っていかがですか。 柳川 昨年が悪かったというのもあって、今シーズンは目標だった高校新記録は出せませんでしたが、全体的にはしっかり結果を出せて、良い1年になったと思います。 ――特に印象に残っている試合は。 柳川 日本選手権で準優勝できたことは自分でもびっくりしていますし、うれしかったです。今年の冬季から一緒に練習している諸田実咲さん(アットホーム)と〝ワン・ツー〟になりたいと思っていましたが、正直、2番になれるとは思いませんでした。 ――高校最後の今季はどんな目標を掲げてスタートしましたか。 柳川 高校記録(4m16)を更新することと、インターハイは何がなんでも勝ちたいという思いがありました。 ――2年前が3位、昨年は5位だったインターハイでは初優勝を飾りました。 柳川 今季は4mに届かなかった試合がほとんどなかったので、4m00の大会記録更新は当たり前というか、そこがスタートラインと思っていました。でも、3m90で終わってしまい、優勝はできましたが、悔しいという気持ちの方が大きかったです。 ――それでも今季は自己記録を4m10まで伸ばし、それを5回もクリアしました。 柳川 冬季がケガもなく、しっかりと練習を積めたことが1番の自信になりました。一昨年も去年も冬季はケガが多く、全部の練習を積めたことがなかったからです。 ――今季の記録面を振り返っていかがですか。 柳川 目標の高校記録更新ができず、跳躍の技術がまだ甘いと思います。高校新記録の4m20に挑戦しましたが、自分の気持ち的に急いでしまったりすることもありました。田中成コーチにはずっと「4m25は跳べる」と言われていましたが、メンタル的にまだ甘かったと思います。 ――冬季はどんなことを取り組みましたか。 柳川 週5日の練習で、3日は跳躍、2日は走りがメインのメニューでした。跳躍は本数が増え、走りは300m+200m+100mのような長い距離を走り込みました。棒高跳は走れれば走れるほどいいですし、試合では体力も必要です。でも、助走が刻めなくなったりしても駄目なので、ロングとショート、両方の走りをやったことが良かったかなと。それと、冬季から本格的にウエイトを始めました。スクワットやベンチプレスなどで全体的にやって、筋力が上がったことも好結果につながったと思います。 ――今はどれくらいのポールを使っているのですか。 柳川 マックスが13.7フィート、150ポンドです。それはまだ使いこなせてはいないのですが、7月の南部記念ではうまく使えてしっかり跳躍ができたという感じです。そのポールが使いこなせるようになったら、一段階上の記録を目指せるんじゃないかと感じています。 ――陸上を始めたきっかけを教えてください。 柳川 群馬県にスーパーキッズプロジェクトという事業があって、小学4年生の時、父に“半強制的”に行かされました。最初は全然乗り気ではなかったのですが、行ってみたら楽しくて、今に至ります。 ――棒高跳のどういうところが楽しかったですか。 柳川 最初は遊びのような感じで始めて、毎週土曜、日曜にベルアスレチックスジャパンに通うことが楽しかったです。そこで出会った今井葉月さん(樹徳3群馬)たちと遊びながら、でも、記録では今井さんに負けたくなくて、どちらが跳ぶとどちらかが泣いて、みたいな繰り返しでしたね。 ――中学でも競技を続けていますが、当時はどのように練習していたのですか。 柳川 中学では水曜と土日はベルで、他の日は学校の陸上部で練習していました。 ――全中種目には女子棒高跳がありません。中学時代ではどんな目標を持って競技をやっていましたか。 柳川 どこかで1回、全国大会に出てみたいと思っていました。中2の時に、大阪室内出場を狙っていましたが、標準記録を跳んだと思ったらその年に標準記録が20cm上がって出られませんでした。中3の時に3m90を跳んで日本選手権に出られたという感じです。 ――その2020年の日本選手権では、全種目を通じて唯一の中学生として出場し、ご自身の持つ中学最高記録に並ぶ3m90を跳んで、6位入賞を果たしました。 柳川 そういう大きな大会が初めてだったので、もう早く跳びたい、早く跳びたいという気持ちだけでした。順位とかはこだわっていなくて、気づいたら6位だったと。他の選手のみなさんが優しくて、試合中でも話しかけてくれて、初めての日本選手権は、とにかくめっちゃ楽しかったです。