NMB48山本望叶、アイドル活動で大切にしていることとは?:インタビュー
NMB48の山本望叶が、土曜ドラマ『アイドル失格』(BS松竹東急1月13日スタート)に出演。アイドルグループ・テトラのセンターで主人公の小野寺実々花を演じる。原作は、2022年11月に発売されたNMB48安部若菜の作家デビュー小説。アイドルに恋愛感情を抱くガチ恋オタクの吉野ケイタ(演・小林亮太)と、不動のセンターとしてキラキラ輝くアイドル小野寺実々花との禁断の恋と成長の物語。本作がドラマ初主演となる山本に、出演が決まった時の心境から、撮影の裏側、アイドル活動の中で大切にしていることを聞いた。【取材・撮影=村上順一】 【写真】NMB48山本望叶、撮り下ろしカット ■徐々にメイクを薄くした ――出演のお話を聞いた時はどのようなシチュエーションでしたか。 安部若菜ちゃんと2人で一緒にカフェ に行ったときに、「主演は望叶だよ」と聞きました。その前に『アイドル失格』がドラマ化したら望叶に出てほしいと思っているというのを聞いていたのですが、主演を知ったのはその時だったと思います。 ――原作、脚本を読まれてどんなことを感じました? ここまで書いていいのかと思うくらいすごくリアルなお話だなと思いました。アイドルの裏側を現役アイドルがここまで書くんだみたいな。 ――事前準備はどのようなことをされたのでしょうか。 私の勝手なイメージなのですが、実々花はメイクが薄い印象があったので、徐々にメイクを薄くしていってナチュラルな感じに自分が慣れようとしていました。 ――実々花のどのような背景からそういったことを感じたのでしょうか。 家もそこまで裕福ではないと思ったので、もしかしたらメイク道具も満足に買えないのでは? と思いました。カラコンとかしない女の子なのかなと思ったので、ナチュラルに見せたいなと意識していました。 ――原作者の安部さんに実々花のイメージを聞いたりはされなかった? どんな人をイメージしているのかは聞きました。ビジュアルでイメージされてる方はこの人というのはあって、それを聞いたときはちょっとビックリしました。 ――さて、撮影現場の雰囲気はいかがでしたか。 現場はすごく温かい雰囲気で楽しいです。私は人見知りなのでなかなか自分から話しかけたりできないタイプなんですけど、キャストやスタッフの皆さんがすごく温かくて、気にかけてくださっているので、のびのびとやらせていただいています。 ――撮影で心掛けていることはありますか。 表情のレパートリーをもっと増やしたいなと思いました。感情の変化を表情で伝えないといけないので、同じ顔ばかりにならないように頑張りたいなって。 ――セリフを覚える作業はいかがでした? 仕事中の休憩中、移動中など空いた時間にずっと台本読んでいました。 ――連続ドラマの撮影、どんなところに大変さを感じていますか。 最初戸惑ったのが1話から順番に撮っていくのではなく、バラバラに撮っていくことでした。いま自分に何が起こった後のシーンを撮っているのか、どういう心情でいればいいのか、感情がすごく難しかったです。 ――俳優、お芝居への手応えは? ほとんど経験がないのでわからないことだらけなのですが、それで悩むことも楽しくて。お芝居はずっとやりたかったことなので、この作品が次につながればいいなと思っています。 ――実々花が所属するグループのテトラにはどんなイメージを持っていますか。 現実にありそうなグループで、それぞれキャラの個性があって、応援したくなるアイドルだと思いました。 ――山本さんが所属するNMB48はメンバーがたくさんいらっしゃいますけど、テトラは4人。そこの違いは大きいですか。 多人数のグループにいるからこそわかることなんですけど、人数が多いと歌割りが少なかったり、当たり前ですが埋もれてしまいがちです。多人数の良さももちろんありますが、少人数だとそれぞれのカラーが際立つのでいいなと思いました。 ――ドラマでは選挙みたいなシーンもあるんですけど、共感できるポイントは結構ありそうですね。 一昨年NMB48でシングルの選抜をファンの方の投票で決めるイベントがあったんですけど、共感する部分はあります。劇中で実々花がファンの人に無理やりお金を使わせている感じがして正直好きじゃない、というセリフがあるのですが、すごくわかると思いました。 ――撮影している中で印象的なシーンはありますか? ドラマ内で架空のバラエティ番組に芸人さんと一緒に出ているシーンです。現実にこんな番組ありそうだなとか思いながら楽しんで撮影したので、印象に残っています。 ■がっかりさせるようなことはしたくない ――山本さんがアイドル活動をされている中で一番大切にしていることは? 応援してくれる方に「応援していてよかった」と思ってもらえるようなアイドルでいることです。がっかりさせるようなことはしたくなくて。実々花もそうなんですけど、自分の中で理想のアイドル像みたいなものが強くあるので、それを守るようにしています。 ――実々花のアイドルとしての姿勢に共感できる部分もありますか。 共感できるところもありつつ、できない部分もあります。それはケイタという存在に依存しすぎているところなんですけど、実々花の気持ちはわかるのですが、会いに行ってしまうのは絶対にしてはいけないことなので、そこに共感してしまうのはダメだなと思っています。 ――実々花は「メッキの笑顔」と言われていましたが、そこに関して山本さんはどう感じました? アイドルは自分がしんどい時でも笑っていないといけないんですよね。それはアイドル全員が共感できることだなと思います。 ――最後にドラマを楽しみにしている方へメッセージをお願いします。 アイドルとファンの禁断の恋がテーマになっていますが、それだけじゃなくて、アイドルも1人の人間で人生があります。いろいろな感情の葛藤があるなかでキラキラしたところを、いまアイドルをやっている方や、アイドルのファンの方に見ていただきたいです。恋愛部分だけではなく、もっと人間的な部分を見ていただいて、何か届けられたらいいなと思っています。 (おわり) スタイリスト:今村仁美 ヘアメイク:更井朝海(CO.CO.RO.)