<恋愛映画初ヒロイン>古川琴音が“いちばんドキドキ”したシーン「指と指が触れてしまってハッとするところなんかは…」
音楽大学を舞台に、切なくもミステリアスなラブストーリーが展開する『言えない秘密』で、主人公が恋に落ちる雪乃を演じる古川琴音。意外にも、恋愛映画のヒロインは初めてだという。 【写真】この記事の写真を見る(5枚) ◆◆◆
ラブストーリーならではの距離の近さ
──雪乃役をオファーされたとき、率直にどう感じました? 古川琴音(以下、古川) じつは台本より先に、原案となった台湾版の映画『言えない秘密』(07年)を拝見したんです。全篇を通して青春のみずみずしさが印象的だった一方で、ヒロインの主人公への想いの強さに、少しゾワッとするところがありました。 そんなラブストーリーは初めてだったので、台本をいただいたときも、自分がこのヒロインを演じるのであれば映画を観てくださる方にも、私と同じ感覚を味わってもらいたいと思いながら読みました。 ──実際、古川さんが演じた雪乃に何度もゾワッとさせられました(笑)。にもかかわらず、京本大我さん演じる湊人と少しずつ心を通わせていく過程はまさに青春そのもの。ラブストーリーが初めてということは、特定の共演者と長い期間向き合ってお芝居するのも初めてだったのでは? 古川 ラブストーリーならではだと感じたのは、相手との距離の近さですね。 つねにお互いの体温を感じるくらいの距離で芝居して、目を見て話していたので、慣れるまでは気まずかったり照れがあったりしましたが、京本くんも距離の近さが大事だと思っていたようで、最初に「お互いの呼び名を決めよう」と言ってくれたんです。 それで私は京本くんを「きょも」、京本くんは私を「こっちゃん」と呼ぶようになりました。一緒にピアノのレッスンを受けたりと、いろいろな経験を積み重ねながら距離を縮めていきました。
試写でいちばんドキドキしたシーン
──雪乃と湊人の連弾のシーンをはじめ、〈音楽〉がきわめて重要な意味をもつ映画でした。やはりピアノはかなり練習されたのですね。 古川 クランクインの1カ月くらい前からレッスンを始めました。 さすがにすべてのシーンを自分で弾いたわけではありませんが、自分の身体が映る演奏シーンは“ちゃんと弾いてる”ように感じてもらう必要がありましたし、ピアノは雪乃と湊人にとってのコミュニケーションツールでもあります。 とくに連弾のシーンでは演奏そのものよりも、隣にいる湊人への気持ちを表現したり、どうコミュニケートするかのほうが重要だと感じたので、その演技に集中するためにもピアノを猛特訓しました。 ──たしかに、この映画ではキスシーンのようないわゆるラブシーンよりも、連弾シーンにお互いへの感情が強く表れていると感じました。 古川 私も試写で完成した映画を観たときに、雪乃と湊人が初めて連弾する場面──しかも鍵盤の上で動くふたりの手に寄ったカットにいちばんドキドキしたんです。 指と指が触れてしまってハッとするところなんかは心臓が早鐘を打つ音が聞こえてきそうで…。ふたりの表情は見えないけど、だからこそ想像を掻き立てられるというか。