【独自】「ワタクシがやったんですよ」…たつの女児刺傷「勝田州彦」が“直筆手紙”で告白 2つの“未解決事件”で「真犯人として逮捕される予定です」
「まぁ、自分でした事なので仕様がないのですが」
ちなみに筆者は、勝田容疑者の接見禁止処分が解かれた21年11月から手紙のやり取りを続けてきた。そして、勝田容疑者は西日本にある刑務所で服役生活を送りながら、“再審請求”への意欲を滲ませていた。 そんな勝田容疑者に明らかな変化が見られたのは今夏のことだった。より具体的に言えば、冒頭で紹介した〈大事件です!! また逮捕されそうですっ。〉と記された手紙である。 実は、勝田容疑者を巡っては、無期懲役が確定した「津山事件」で逮捕された18年5月の段階から、報道関係者の間では「加古川事件」と「たつの事件」への関与が囁かれてきた。 そのため、「たつの事件」について勝田容疑者への取り調べが始まったという“大事件”は、正直なところ想定内ではあった。だが、筆者が目を見張ったのはその後に続く文章だ。勝田容疑者は「たつの事件」について以下のように記していた。 〈まぁ、自分でした事なので仕様がないのですが、あと10年程刑期が追加されそうです。〉 その言葉は「津山事件」公判での勝田容疑者の言い分を知る者にとって驚くべきものだった。
「この際だから正直に言いますね」
岡山地裁で21年9月に開かれた「津山事件」裁判員裁判の初公判で、勝田容疑者は「私は絶対にそのようなことはやっていません。事件の日は、現場にも津山市にも行っていません」と完全否認していた。結局、判決ではこの主張は認められず、勝田容疑者が犯人と認定されたが、本人はこれを不服として控訴、上告している。また、刑の確定後も、再審請求を行うための準備を進めるとの意志を手紙で示していた。 その後、9月12日に送られてきた手紙にはこうある。まず公判で関与を否定し続けてきた「津山事件」について。 〈ユキ女史、この際だから正直に言いますね。津山事件もワタクシがやったんですよ。嘘をついていて、たいへん申し訳ありませんでした。本当にごめんなさい、です。この件についても、今後詳しく正直にお話ししますね。〉 そして、この手紙には「加古川事件」と「たつの事件」についての“告白”も記されていた。 〈また逮捕されそうなことについて。これは嘘ではありませんよ。200%間違いないですね。それも、2件の罪で、です。この2件の罪とは、平成19年10月16日に兵庫県加古川市で小学2年生の女の子が刺殺された殺人事件と、平成何年かは失念しましたが、9月28日に兵庫県たつの市で女の子が刺された殺人未遂事件の2件の事件の真犯人として逮捕される予定です。〉 その言葉通り、勝田容疑者は逮捕された。今後の捜査によって未解決事件の真相が明かされることを願ってやまない。だが、その一方で、勝田容疑者の起こした事件を取材し、本人と文通を続けていた身としては、どうしても違和感が残るのだ。 第2回【「良くて無期懲役、悪くて死刑のレベルですね」…女児刺傷「勝田州彦」が手紙に綴っていた逮捕直前の“自供”内容】では、獄中からの手紙に綴られていた、勝田容疑者が犯行を告白するに至った経緯を詳述している。
高橋ユキ(たかはし・ゆき) ノンフィクションライター。福岡県出身。2006年『霞っ子クラブ 娘たちの裁判傍聴記』でデビュー。裁判傍聴を中心に事件記事を執筆。著書に『木嶋佳苗 危険な愛の奥義』『木嶋佳苗劇場』(共著)、『つけびの村 噂が5人を殺したのか?』、『逃げるが勝ち 脱走犯たちの告白』など。 デイリー新潮編集部
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