試合後の山本由伸（カメラ・安藤　宏太）

◆米大リーグ　カブス１―４ドジャース（６日・米イリノイ州シカゴ＝リグレーフィールド） 【動画】チームメートを笑顔で迎える山本由伸 　ドジャース・山本由伸投手（２５）が６日（日本時間７日）、敵地・カブス戦に先発し、５回８０球を投げて３安打無失点、８奪三振の好投でメジャー初勝利をつかんだ。３試合目の登板でしっかりと「３度目の正直」を果たした。 　「前回はいい投球ができて今回も続いていい投球ができて、無事初勝利ができたのでうれしく思います」と喜んだ。 　序盤は苦しいマウンドだった。初回は「２番・右翼」の鈴木誠也外野手（２９）に四球を与えるなど、いきなり無死満塁。だが、そこからギアを上げて３者連続三振を奪って本塁は踏ませなかった。２回も味方の失策などで２死満塁。それでも最後はＭＶＰ受賞歴もあるベリンジャーから見逃し三振を奪ってピンチを免れた。「（初回は）少しコーナー狙いすぎてランナーをためてしまった。ピンチなってからは思い切って投げることができてピンチを防げた」と話した。 　３回からはオリックスで３年連続ＭＶＰと沢村賞に輝いた実力を余すことなくなく発揮した。３回を空振り三振と内野ゴロ２つで３者凡退に抑えると、５回まで３イニング連続で３者凡退。５回８０球でやや余力が残っているように見えたが、元広島・ブレージャーに継投して、仕事を果たした。 　カブス鈴木誠也との対戦については「シーズン序盤にいきなり対戦できたのはすごくうれしかったというか、楽しみにしていた。結果的にはたまたま、狙ったところではなかったが打ち取れてよかった」。翌７日（日本時間８日）にはカブス今永昇太が登板。「すごく楽しみ。僕は登板がないので、翔平さんを応援して、どでかい本塁打を打って欲しい」と話した。 　ここまでは苦しい思いもあった。３月２１日の韓国・ソウルでのパドレスとのデビュー戦ではまさかの１回５失点でＫＯ。あっという間に１イニングが終わった。同３０日（同３１日）の本拠地・カージナルス戦では白星こそつかなかったが、５回無失点。雨が降って試合中に中断する難しいコンディションだったが、必死の投球で、大器の片りんを見せた。この日へ向けては「前回はいいピッチングが出来たので、また次はまた新しい登板になるので、いつも通りそこに向かって、調整をイチからしたので、またいいピッチングが出来たらいいなと思います」と自信をのぞかせていた。 　二刀流の大谷を除くと、投手史上最高額となる１２年総額３億２５００万ドル（約４６１億円＝契約発表時のレート）でドジャースと契約。メジャーで１球も投げていない投手では異例の超大型契約だった。重圧、苦難を乗り越えてシカゴの地でメジャー初勝利をつかみ取った。