大岩ジャパン守備の要は「努力し続けられる天才」 アジア最終予選で五輪切符獲得へ、最終ラインで体張る
男子のパリ五輪アジア最終予選を兼ねたU―23(23歳以下)アジア杯が15日からカタールで開幕する。スポーツ報知では、8大会連続五輪出場を目指す「大岩ジャパン」の各ポジションのキーマンを4回にわたり紹介。第2回はDF西尾隆矢(22)=C大阪=。 * * * 「絶対パリ五輪に出る」―。それが西尾の口癖だ。対人守備に定評があり、大岩ジャパンの守備の要は「自分の力を最大限に出して日本の勝利に貢献したい。五輪本大会出場を決めたい」と強い覚悟をのぞかせる。 道のりは決して順風満帆ではなかった。世代別代表には招集されていたが、チームでは21年の31試合から、22年24試合、昨季はわずか9試合。プレー、メンタルともに安定性を失い、ベンチ外の日々が続いた。順調だったサッカー人生で初めて大きな壁にぶつかった。 トレーニングルームで散乱している器具は全て元の位置に戻し、飲み残しのペットボトルは自分のものでなくても片付けるなど、真面目な西尾は、決してふて腐れることがなかった。C大阪の小菊昭雄監督(48)は「コツコツ努力し続けられる能力は天才的なものがある」と目を細め、同僚の日本代表DF毎熊晟矢(26)も「試合に出ていない時も変わらず、自分のやるべきことができる。それが彼の一番の強み」と一目置く。 陰の努力は実を結び、今季は第2節の鹿島戦での先発出場から5試合連続でフル出場し、クラブ史上最長開幕7試合連続無敗(4勝3分け)に貢献。正確なポジション取りで危機察知能力も高く、厳しいアジアの戦いで生きる。「チームでつけた自信を代表で還元できたら」。今までの全てをぶつけ、夢舞台の切符をつかみ取る。(森脇 瑠香) ◆西尾 隆矢(にしお・りゅうや)2001年5月16日、大阪・八尾市生まれ。22歳。FCグラシオン、C大阪U―15を経て、同U―18に昇格。高2だった18年6月23日にC大阪U―23の一員として、J3藤枝戦でJリーグデビュー。20年にトップチームに昇格し、22年から副主将を務める。U―15から世代別日本代表に選ばれている。右利き。180センチ、77キロ。 CB4人選出 〇…DFは8人選出され、センターバックは西尾のほか、木村誠二(鳥栖)、鈴木海音(磐田)ら大岩ジャパンの常連組に加え、昨年のU―20W杯に出場した身長192センチの高井幸大(川崎)がメンバー入り。右サイドバック(SB)は日本代表にも選出された経験のある半田陸(G大阪)、関根大輝(柏)、左SBはスピードのある大畑歩夢(浦和)で、DF唯一海外組の内野貴史(デュッセルドルフ)は両SBプレー可能だ。
報知新聞社