ガソリンには「消費税以外の税金もかかっている」と聞いたのですが、実際の価格はいくらなんですか?ガソリン代をおさえる方法も知りたいです。
昨今の原油価格の高騰に伴って、「ガソリン価格が上昇する」というニュースをときおり耳にすることがあります。それとともに、しばしばガソリンにかかっている税金について話題が取り上げられることもあります。 実はガソリンには消費税以外の税金も課税されており、実際のガソリン本体価格は消費者がガソリンスタンドで見る価格よりも大幅に安価です。 本記事では、ガソリン自体の価格をご紹介しつつ、課税されている税金の概要も解説します。 ▼ガソリンスタンドで「タイヤが消耗していて交換しないと危険」と言われた! すぐに換えるべき? 交換時期の目安についても解説
ガソリン価格の内訳
ガソリン価格の内訳は、おおむね以下の通りです。 ガソリン価格=(ガソリン本体価格+諸税56.6円)+消費税(10%) 諸税の内訳は以下の通りです(本土の場合)。 ・ガソリン税(53.8円/リットル) ・石油石炭税(2.04円/リットル) ・地球温暖化対策税(0.76円/リットル) 「ガソリン税」はさらに「揮発油税」と「地方揮発油税」に細分化でき、「特例税率」分が上乗せされています。上記を合わせると1リットルあたり53.8円です。 仮にガソリン本体価格が123.4円の場合、諸税と合わせると180円となり、そこに消費税率10%をかけてガソリン価格は198円(消費税は18円)となります。税金は消費税の18円と諸税の56.6円で合計74.6円であり、ガソリン価格の約37.7%にも達します。 ■実際のガソリン本体価格 では2024年10月時点でのガソリン価格を参考に、ガソリン本体価格のみがいくらか計算してみましょう。経済産業省資源エネルギー庁によると、10月7日時点のレギュラーガソリンの店頭現金小売価格(全国平均)は「175円/リットル」でした。 175円は消費税込みの価格であるため、税抜き価格は約159円です。ここから諸税の56.6円を差し引くと、本体価格は「約102.4円」です。 ■ガソリン税は本来「28.7円」? 前述の通り、2024年10月現在のガソリン税は53.8円/リットルです。しかし本来のガソリン税(本則税率)は28.7円です。「特例税率」という項目で25.1円が本則税率に上乗せされている結果、合計で53.8円となっています。 この特例税率に関連して、しばしばニュースで取り上げられる話題が「トリガー条項」です。 トリガー条項とは、ガソリンの全国平均価格が3ヶ月連続で160円/リットルを超えた場合に、特例税率の25.1円が課税されなくなり、逆に3ヶ月連続で130円/リットルを下回るときに再び課税される仕組みです。 現在この措置は凍結されていますが、仮に解除されれば、ガソリン価格は25円ほど下がることになります。 現在政府は、トリガー条項の代わりに補助金でガソリン価格高騰の抑制を図っています。「燃料油価格激変緩和補助金」といい、経済産業省資源エネルギー庁によれば、緩和措置期間中、ガソリンの全国平均価格が170円/リットル以上になった際に、1リットルあたり5円を上限として燃料油元売りに補助金が支給される仕組みです。 ただし、これは小売価格の高騰を避けるための制度であり、消費者に直接補助金を支給する制度ではないため注意しましょう。