考察の魅力は? 考察型展覧会『その怪文書を読みましたか』を取材 100枚以上のメッセージを展示
■流行は“モキュメンタリー”
開催のきっかけなどを、イベント担当者に聞きました。 ーー思いついたきっかけは? インターネットを中心に若者にすごく人気のある梨さんが、モキュメンタリーというジャンルにすごく精力的に取り組まれていたので、形にしてみようということで生み出した展覧会になります。 ーーモキュメンタリーとは? ドキュメンタリーの造語になるんですけど、よりリアルなフィクション“これって本当なのかな?”みたいな、ゾワゾワするような、怖さを醸し出すような意味合いを持っておます。ドキュメンタリーは本当のことを追いかけますが、いかに本当っぽくコンテンツを楽しんでいただけるかっていうところに注力したものになります。 ※モキュメンタリー:疑似という意味の“mock”とドキュメンタリーを合わせた造語。フィクションであることを前提とし、ドキュメンタリーのように表現すること ーー来場者には、どんなことを感じとってほしいですか? 感じ方はひとつのゴールをこちらで決めているわけじゃないので、それこそ100人いれば100通りの答えにつなげていってほしいなと思いますし、答えを探すためにイベントから帰った後、SNSでいろんな意見をやりとりしてほしいなと思っています。
■来場者に聞く考察の魅力
実際、来場者は梨さんのファンやホラー・モキュメンタリー好きの人が多く訪れていました。展覧会の感想を聞いてみると「質感・実在性がいい。実際に紙がはられているのはパワーがある」「ストーリーを勝手に読み取っていけるから、考察型というのは作り手と自分の勝負みたい」といった声や「読んでいくうちに“こういうことか”っていうのが、だんだん分かっていって、それがすごく気持ちいいというか、幸せな気持ちになりました」など様々な声がありました。 “考察型”ということで、来場者の考察を聞いてみると「今まで見かけていた変な文章っていうのが、もしかしたら別の次元とか、別の上位存在みたいなものからメッセージを受けている人が出力していた、そういうメッセージだったのかな」といった意見や、撮影した写真をもとに「これからじっくり考察します」とし、会場を離れてからも楽しむという来場者が多数いました。 カップルで訪れていた20代・社会人の2人組は「すっごい楽しかった。もう一周したいくらい。考察のSNSを片手にもう1周、2周くらいしたい。全部の謎がだんだん、点と点がつながっていく。(進んでいくと)前に見たなっていう文章もあったりしたから、それをたどり合わせるのが楽しいです。新しい世界を知れたな。(SNS で)後で考察を見て、2人で楽しみたい」とコメント。考察の魅力を聞いてみると「2倍楽しめる。1回普通に見た後に、調べて、見ると何回も一つのコンテンツを楽しめるのが魅力」と語ってくれました。