毎月「40時間」近く残業していて、「6万円」の残業代を受け取っています。これって多いですか?
残業時間に対してどれくらいの残業代が支給されているか、残業を多くこなしていると、気になることがあるようです。 そこで「毎月40時間残業していて、残業代は6万円しか出ない」という事例を基に、40時間の残業は一般的に多いのか、そのくらいの時間に対してであれば、どれくらい残業代があれば「多い」といえるのか、考えていきます。
残業時間の平均は意外と少ない13.9時間
「平均的な残業時間」と聞けば、どれくらいの時間になると思うでしょうか。20時間や30時間、人によっては40時間を大きく超え、50時間くらいだと思うかもしれません。実際、世界的にはもちろん、日本国内においても「日本は残業が多い」、「働きすぎ」といわれています。しかし、平均残業時間を見てみると、実際にはそれほど多くはないようです。 厚生労働省の「毎月勤労統計調査 令和4年度分結果確報」によれば、一般労働者における月間の所定外労働時間は13.9時間です。月の出勤日数は19.4日とされているため、1日当たりの残業時間はおよそ43分と、わずか1時間未満となっているようです。 これを見る限り、毎月40時間となると、一般的にはかなり多い残業時間といえるでしょう。厚生労働省によると、そもそも月の残業時間は、法律によって「原則45時間まで」と規制されています。その点を踏まえると、法定の残業時間ギリギリに近い40時間の残業を「多い」と感じるのは無理もないでしょう。
残業代の平均は2万6469円
平均の残業時間が分かったところで、次に気になるのが、残業代の平均的な金額でしょう。これも、同じく厚生労働省の「毎月勤労統計調査 令和4年度分結果確報」によれば、月の所定外給与は2万6469円となっています。月の残業代が6万円である、今回のケースと比較すると、かなり少なく感じられます。 また、この金額に対して、同統計のとおり残業時間が13.9時間だと考えると、1時間当たりの残業代はおよそ1904円です。それに対して、40時間で月6万円の残業代が出るとすると、1時間当たりの残業代は1500円です。 6万円という金額で考えれば、大きな額の残業代といえます。しかし、残業時間を時給換算して考えると「40時間残業をして、6万円の残業代」というのは、平均よりも少ない金額といえるでしょう。仮に平均どおり13.9時間の残業をしていたら残業代は2万850円となり、平均よりも5000円ほど低い計算になります。