【U-17地域トレーニングキャンプ関西】強度が上がった中でも特徴を発揮 2日間のトレーニングキャンプが終了
1月15日、大阪府のJ-GREENで2024 U-17地域トレーニングキャンプ関西の2日目を実施。高2年年代の27名が参加し、トレーニングと20分×3本の紅白戦を行なった。 【フォトギャラリー】U-17関西ピンク vs U-17関西緑(2日目) 前日のトレーニングを終えてからは、視察に訪れたU-17日本代表の廣山望監督によるミーティングを実施。朝には映像を使って前日の振り返りを行なった。「(指摘したのは)ほとんどがゴール前。失点の多くがクロスに対してマーキングができていない状況だった。やり方の正解はないけど意識を変えることで、トライしながら守り方を掴んでほしい。そもそも相手に絶対やらせないみたいな拘りがあって(ゴール前に)帰ってきているわけではない。帰ってきてボールを跳ね返すだけで、フリーの練習しているみたいなところから、相手とのやり合いを意識してほしい。中盤もそうですが、ポジションの取り合いとか人を相手にテクニックを発揮するところを意識してほしい」。そう振り返るのは廣山監督で映像を使ってフル代表の守備意識の高さを伝えたという。 「廣山さんからA代表が守備をしている動画を流してもらい、ここであと一歩身体を寄せられるかが、1点が大事な試合に関わってくると言われた。来ていたメンバー全体に守備意識がまだまだ足りないと言われ、2日目は意識するようになりました」。DF今井凛太朗(神戸弘陵)の言葉通り、上のステージで求められる基準を学んだ選手たちの意識は変わり、トレーニングから強度がアップ。「自分のマークにも行くだけでなく、もう一人の選手がカットインされてシュートを打たれた時に自分がどれだけマークを捨てて寄せられるか、シュートブロックを意識してできました」(今井)。 キャンプの締めくくりとして行なった紅白戦では怪我でサポートに回ったMF谷本龍平(桃山学院)を除く26人が参加し、2グループに分かれてゲームを行なった。ピンク色のビブスを来たAチームはGK寺島裕賀(阪南大高)、DF浜口巧成(滝川二)、上山泰智(東山)、池永一太(草津東)、MF中江大我(近江)、佐伯太壱(三田学園)、梅原良弥(神戸弘陵)、池壱樹(神戸弘陵)、FW空久保善(滝川二)、芋縄叶翔(興國)、河村頼輝(京都橘)のラインナップ。交代でDF仲谷陽馬(奈良育英)、MF岡田翔太郎(阪南大高)が入った。 緑色のビブスを着たBチームはGK岩瀬颯(興國)、DF松岡敏也(興國)、今井、武久宏斗(草津東)、太田春馬(三田学園)、MF波多野凛空(草津東)、樺山文代志(興國)、南壮一郎(滝川二)、伊藤成康(阪南大高)、FW伊藤湊太(京都橘)、松本龍利(大産大附)がスタメン。DF咲本大(近大附)、MF野田凰心(東山)も途中からピッチに立った。 前日はBチームの大勝となったが、2日目は拮抗した展開が続く。まずはBチームが攻め込み、4分には左に開いた伊藤のパスから、樺山がゴールを狙ったが、寺島がストップ。12分にはAチームが見せ場を作り、右CKのこぼれ球を上げ直し、芋縄が頭で合わせたが、岩瀬がブロック。この流れから高い位置でインターセプトした空久保がフリーでシュートを放ったが、再び岩瀬に阻まれた。 2本目も拮抗した展開が続き、3分には芋縄の左クロスを空久保が頭で合わせてAチームがゴール。10分にはピッチに入りなおしたばかりの伊藤が相手DFのミスを奪って、同点弾を流し込んだ。「(選手権の)東福岡戦は試合を通して何もできなかった。フィジカルや守備の部分で、自分の良さが出せなかったので、課題をどう克服するか意識した。キャンプの初めはみんな上手くてあまり守備ができなかったのですが、今日は球際で勝てる部分もあって成長できたかなと思う」と話すのは岡田で、前日とは打って変わり、球際での攻防が増え、ゲーム強度が上がっていたのが印象的だった。 3本目はBチームが押し込む展開に。2分に見せ場を作ったのは、「強度が高い中で自分がどれだけできるか試したかったので、良い機会。突破からのクロスは2日間通してやれました」と振り返る波多野。伊藤のタメから咲本が上げたクロスは相手DFに跳ね返されたが、上げ直しを伊藤が競り合い、こぼれ球を波多野が押し込んだ。以降も伊藤が迫力のある飛び出しから仕掛けを披露したが、ゴールは生まれずタイムアップとなった。 「落ち着いて自分のプレーができるようになった。お互いFWにポイントになる選手がいる中での戦いなので優先順位があって面白かった」と2日目を振り返るのは廣山監督で、強度が上がった中でも特徴を発揮できた選手がいたのは収穫だろう。「昨日は全体が緩かったし、言える選手もいなかった。関西全体でレベルもっと上げないといけない。2日間でだいぶ成長できたし、チームでもやり続ければ更に成長できる」と今井が続けたように現状に危機感を抱いたことで、日常が変われば関西よりも上のステージを狙えるはず。新シーズンのスタートに得た刺激を更なる成長に繋げていく。 (文・写真=森田将義)