香嵐渓の魅力は“紅葉だけ”じゃない!子どもから大人まで約2,000人が竹灯籠作りやジビエ料理に挑戦、里山が抱える「竹林問題」と「獣害問題」を資源に変える方法とは? 愛知・豊田市
“紅葉の名所”として知られる、豊田市足助町にある「香嵐渓」。紅葉はもちろん、ジビエや竹、蜂蜜など多彩な資源にも恵まれています。今月8日、そんな“紅葉以外”の香嵐渓の魅力を広めるべく、体験型親子イベント「里山のクリスマス by―の谷×こだわりん」が足助町で行われました。
イベントには、子ども連れの家族を中心に約2,000人が参加。足助町産の竹を使用した竹灯籠に子どもたちが絵を描いたり、ジビエ肉のソーセージ作り体験が行われるなど、さまざまな企画が実施されました。
夜には子どもたちが絵を描いた、280個の竹灯籠がライトアップ。里山の夜を幻想的に彩りました。
本イベントを手掛けたのは、愛知県内でさまざまな食育イベントを実施してきた「こだわりん」。これまで、県内の住宅展示場などを中心に、竹を切るところから挑戦する「ちくわ作り」や「栗きんとん作り」、石臼で挽くきなこの「わらび餅作り」など、“食の背景”を学ぶ多彩なイベント開催に取り組んできました。
今年11月には、陶芸体験などを通して“手仕事”を学ぶ、「リノベーションEXPO~こだわりん手仕事マーケット~」を開催。他、育てたトウモロコシでポップコーンを作ったり、弥富市の養魚場スタッフと一緒に金魚すくいを開催するなど、愛知県内の農業活性化を目指す食農イベントを開催してきました。
そんな「こだわりん」が関心を寄せたのが、里山の課題となっている「竹林問題」と「獣害問題」。 「こだわりん」担当者によると、日本における竹林面積は、1980年代には約10万ヘクタールと推定されていましたが、2012年には約16万ヘクタールに達し、わずか30年間で約60%増加。 その背景には、竹林の管理不足や放置が影響しており、竹林は周囲の森林や農地に侵入。竹林の急増によって、“竹だけが繁殖する”環境への変化、野生動物の生息地拡大による農作物への被害、地盤の保水力低下による土砂災害リスクの増加など、深刻な問題を引き起こしているといいます。