日本株、じつはこれから大注目の「眠れる資産」を抱えた「プロ厳選・キャッシュリッチ企業5選」を実名紹介
2023年3月に東証が「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」を要請してから1年が過ぎた。日本企業のガバナンス改革に対する期待は海外投資家を中心に大きく押し上げられ、PBR1倍割れ企業を中心に加速度的な株価の水準訂正が進んだ。 【マンガ】グーグルが上場したときに「100万円」買っていたら、今いくら? 資本効率の改善が要請されているのは、なにもPBR1倍割れ企業に限ったことではない。今後の水準訂正で、特に注目したいグループが「 キャッシュリッチ企業」だ。手元流動性(現金・預金+有価証券-有利子負債)を総資産で割ったネットキャッシュ比率の大きい企業は、流動性の高い金融資産を多く保有し、実質的な無借金状態を誇る。 ただし、意地悪な見方をすれば、有効な投資先や研究案件を見いだせず、無駄にカネ余り状態に陥っているケースも少なくない。欧米企業の「ネットキャッシュ比率」が20%を割り込んでいるのに対し、日本企業は45%程度と高く、企業買収の候補にもなりやすい。 今後は資本効率改善や収益性拡大に向けた具体的なアクションが求められる段階に入る。手元資金が潤沢な「キャッシュリッチ企業」は、今まさに眠れる資産を掘り起こし、株主還元に活かす好機を迎えている。
日本オラクル(4716)
■株価(3月29日時点終値)11455円 サブスクリプション(定額課金)で提供するクラウドサービスを強化中。企業の IT 投資拡大が追い風となり、今 24.5 期は 13 期連続の営業増益が期待されている。通常の配当性向は40%に抑えているため、配当利回り面の魅力は乏しいが、2011年5月期、2016年5月期、2021年5月期に、それぞれ1株当たり992円、1,000円、1,200円の特別配当を実施している点には要注目だ。約5年ごとに実施されている大型の特別配当を享受できた場合、配当利回りの魅力は格段に高まってくる。 実質的な親会社である米オラクル社は日本オラクル株式を約75%保有している。日本オラクルの内部留保とキャッシュは、米オラクル社への貸付金という形で蓄積される。現時点の貸付金は2,000億円を超えており、過去3回の特別配当原資となった規模とほぼ同額まで膨れ上がっている。 次回の特別配当実施時期は、現時点では公表されていないものの、過去の例からは機は熟しつつあろう。過去3回の特別配当実施後は、いずれも株価が大きく上昇している点も見逃せない。