デンマークに新君主が誕生 フレデリック国王とメアリー王妃がバルコニーでキス
現地時間1月14日(日)、在位54周年を迎えたこの日にデンマークのマルグレーテ2世女王が退位宣言に署名、女王の座を退いた。これに伴い長男のフレデリックが国王に即位した。 【写真】まだまだいる! 世界の独身プリンス&貴族を大発掘
デンマークでは戴冠式は行わないのが通例。女王の退位後クリスチャンスボー城のバルコニーにメッテ・フレデリクセン首相がフレデリック国王と共に登場、新たな君主の誕生を宣言した。
新国王は集まった国民に手を振り短いスピーチを行った。「マルグレーテ2世女王はこれからも類まれなる君主として記憶されることでしょう。そして今日、王位は受け継がれました。私の望みはこれから人々をまとめる王になることです。それは私が生涯待ち望んでいた仕事です。敬意と誇り、大いなる喜びを持って引き受ける責任です」「私はあらゆる支えを必要としています。最愛の妻、家族、みなさん、そして私たちよりも偉大な存在から。私は1人ではないことを心に留めつつ、未来に立ち向かいます」。その後メアリー王妃とバルコニーに並んだ。
2人は手を取り合い、キスも披露した。また雑誌『ピープル』の報道によると国王が歓喜極まって涙を拭くシーンもあった。
国王と王妃の4人の子どもたちもバルコニーに登場。父の即位に伴い、皇太子になった長男のクリスチャンも父の横に立って国民の祝福の声に応えていた。
デンマーク王室も他国の王室皇室同様、通常であれば生涯にわたって君主を務めるのがしきたり。そのため、昨年の大晦日のスピーチで女王が退位する意向を発表したことは多くの国民を驚かせ、さまざまな憶測を呼んだ。
昨年11月にフレデリック国王に浮気報道が浮上、メアリー王妃との関係悪化が囁かれたことは記憶に新しい。そのため女王が君主の座を息子に譲るのは、息子の結婚を守るため-つまり離婚しにくくするため-ではないかという指摘も浮上した。イギリスの王室専門家フィル・ダンピエは「女王がこのような行動に出たのは王室がメアリー王妃を失うことを恐れたからかもしれない。女王は王妃を非常に貴重な財産と見なしてきた」「フレデリックに不倫をしているという話が出てから数か月後にこのような発表をするのは普通ならあり得ない偶然だ。女王はこれで2人の関係が修復され、結婚生活が救われると考えているのかもしれない」と新聞「デイリーテレグラフ」に語っている。
今回の即位でヨーロッパの君主は全員男性に。またメアリー王妃は世界初のオーストラリア出身の王妃となった。これからますます世界中のロイヤルファンの注目を集める存在になりそう。