ポルシェ「911」に“リトラクタブルライト”があったの!? 希少な「フラットノーズ」がオークションに登場 どんなクルマ?
走行距離はわずか8545km
2024年1月に米国アリゾナ州フェニックスで開催されるRMサザビーズ主催のオークションに、1988年製ポルシェ「911ターボ フラットノーズ」が出品されます。 【画像】希少な1988年式ポルシェ「911フラットノーズ」を写真で見る(35枚) 911ターボ フラットノーズとはどんなクルマなのでしょうか。
ポルシェ911といえば、初代から現行型まで続く丸目2灯の愛嬌ある顔が特徴ですが、このモデルは当時のスーパーカーの特徴ともいえるリトラクタブルヘッドライトを採用しています。 この930型と呼ばれる2代目ポルシェ911は1974年に登場したモデルで、もともと「930型」とはターボエンジンを搭載したモデルを指していました。NA(自然吸気)エンジンを搭載したモデルは、外観が「ビッグバンパー」に改められましたが、型式は先代の901型のままでした。その後、1978年になってNAも930型へと移行しています。 デビュー当時の930型911は、もちろん主要マーケットである米国でも販売されていましたが、1979年にアメリカでの排出ガス規制が厳しくなり、ポルシェは米国での販売を中止しています。販売が再開されたのは、1986年。長期にわたって、930型ポルシェ911は、アメリカで正規販売されていませんでした。 エンジンマネージメントの進化により排出ガス規制をクリアすることになり、930型があらためて米国で販売を再開すると、ユーザーはさまざまなリクエストをポルシェに送ったといわれています。 911ターボ「フラットノーズ」は、そうした中で生まれた1台です。 当時、北米で人気を博していたCam-Am(カナディアン・アメリカン・チャレンジカップ)レースにおけるレーシングカー、ポルシェ「935」の活躍にヒントを得て、ワイドボディフェンダー、ルーバー付きフロントパネル、そしてリトラクタブルヘッドライトなどを行うフラットノーズへのカスタマイズパッケージをポルシェは北米向けオプションとして1987年に採用しました。 ただし、標準の911ターボのほぼ2倍のコストがかかったといわれ、1988年に米国仕様はわずか145台しか製造されなかったため、フラットノーズはポルシェモデルとして希少な、そして人気のあるモデルのひとつになりました。 今回オークションに登場したシャシ番号50664は、工場出荷時のガードレッドのボディカラーの1台です。LSDや電動サンルーフ、電動スポーツシートなど専用オプションを備えています。 1988年に納車されたこのフラットノーズは、新車からわずか3人のオーナーによって大切にされてきており、走行距離はわずか5310マイル(約8545km)です。 このモデルは27万5000ドル(日本円で約4330万円)から32万5000ドル(約5120万円)の落札予想価格となっています。
VAGUE編集部