失われた“毎朝6時の鐘の音” 復興へ一歩 富山県氷見市の寺で鐘楼堂の修理はじまる
能登半島地震の被害が大きかった富山県氷見市の姿地区。そこでは毎朝6時に寺の鐘が鳴るのが、住民たちの日常でしたが、地震で鐘楼堂の基礎がずれ、鐘の音は失われていました。地震から3か月近くがたち、28日、ようやく鐘楼堂の修理が始まりました。復興へ向けて小さな一歩です。 【写真を見る】失われた“毎朝6時の鐘の音” 復興へ一歩 富山県氷見市の寺で鐘楼堂の修理はじまる 富山県氷見市姿地区の長福寺では、地震で被害を受けた鐘楼堂の修理作業が28日から本格的に始まりました。基礎の部分からずれた柱を元に戻し、再び鐘を突けるようにします。長福寺の鐘は、戦時中、武器の材料を確保するため国に没収され、1958年に新たな鐘が完成。以来65年間、毎朝6時に鐘を鳴らしてきました。 しかし、元日の地震で、鐘楼堂は4本の柱のうち2本が基礎から大きくずれ、いつ倒壊してもおかしくない状態になり立ち入りが危険なため、住民の日常の一部だった鐘の音は失われてしまいました。 姿地区の住民: 「本当悲しかったです。山へ行って野良仕事やってゴーンと鳴ったら6時やなということで、じゃあそろそろ家へ帰ろうかと。そういうあんばいやった。だから大事なものなんやちゃ」 28日は、地元の修理業者が鉄骨と木材で鐘楼堂を支えるやぐらを組み、6つのジャッキで少しずつ高さを上げる作業を行いました。 修理の担当者: 「見に来た時には大丈夫かと思うほど(柱がずれていた)。外れたら大変なことになったと思うんですけど。予定通り大体進んでおります」 今後は、宮大工が柱と基礎をつなぐ部分を修理し、早ければ4月初旬に新たな鐘楼堂が完成するということです。 長福寺・北鹿渡文照住職: 「村の皆さんも鐘楼堂の修理、完成するのを待ってると思いますので、今度は完成したあかつきには皆さんにも来ていただいてひとつずつ突いていただければいいなと思ってます」
チューリップテレビ