広島・松山ベテラン健在!さすがの勝負強さ発揮! 無死満塁代打でしぶとく同点犠飛
「オープン戦、広島2(降雨コールド)2DeNA」(17日、マツダスタジアム) 広島・松山竜平外野手(38)が17日、さすがの勝負強さを発揮した。2点を追う六回だ。1点差に詰め寄り、なおも無死満塁の好機に代打で登場。右翼への同点犠飛で試合を振り出しに戻し、ベテラン健在ぶりを本拠地のファンに示した。12日から1軍に合流し、オープン戦は打率・400と好調。チーム最年長は今年も、自慢のバットでチームを勝利に導いてくれそうだ。 【写真】ベテランがいぶし銀の一打 体勢崩されても食らいついた! 左膝が地面に着きそうになっても、バットを懸命に投げ出しながら拾った。長年の経験と技で、松山が白球を外野に持っていく。公式戦さながらの勝負どころで果たした大きな仕事。オープン戦とはいえ、球場全体を興奮に包んだ。「最低限の仕事ができた。自分の打撃ができていると思う」と冷静に現状分析した。 出番は六回、2点ビハインドから1点を返して迎えた無死満塁の絶好機。「代打・松山」のアナウンスが場内に告げられると、押せ押せムードが一気に高まった。森原の4球目、1-2と追い込まれるも、低めフォークに泳ぎながら右翼への犠飛で同点にした。 「とにかく追い付きたい場面。まず外野フライが最低限かなと。長打が出たら一番良かったけど、そこはファウル(の球)をしっかり仕留め切れるように。まだまだ、やっていきたい」と満足することなく、1球前の甘めの直球をファウルした部分に目を向けた。昨季は代打で50打数19安打。打率・380、21打点と出色の勝負強さでチームを救ってきたが、最高の快音を響かせるための向上心は決して尽きない。 自身11年ぶりにシーズン本塁打なしに終わった昨季の悔しさを踏まえ、オフシーズンから新たな取り組みに着手。フォームは構えた際のトップの位置を昨年より高くして始動し、余分な動きを省くことに注力した。さらにバットも新しく試している。「正直、扱いは難しいと思うけど、しっかり振れたら飛ばせるようなバットにしている。それが今、僕の中で感覚がいい。あとは実戦でしっかり長打を出せるようにやっていく」と次段階でのテーマを明かした。 調整を一任された今春キャンプは、新井監督から日南、沖縄のキャンプMVPに指名された。その際「本当に彼はよく頑張って、お風呂に入ってるみたいなんで」と愛のあるイジりを披露していた指揮官。この日も「(1軍に)合流後の彼の動きは、ちゃんと調整して、しっかりお風呂に入っていたんだなと分かる」と恒例のジョークで笑わせつつも「今年も変わらぬ期待をしています」と全幅の信頼を寄せた。 「代打ばかりではなく、スタメンでも多く出られるように。結果で応えていけるように」と口元を結んだ松山。チーム最年長は今年も、しびれる場面で熱狂を生み出す。