【阪神牝馬S】スローの瞬発力勝負が定番 注目は前走有馬記念組のライラック、洛陽S勝ちのドゥアイズ
ハイペースを勝ったドゥアイズ
今年はJ.モレイラ騎手騎乗予定でもある4歳マスクトディーヴァが中心だろう。前走でオープンを勝った同世代ドゥアイズ、GⅠ・2着馬ウンブライルのほか、5歳は距離を一気に詰めるライラックなど多彩なメンバーが顔をそろえる。 前走GⅠ【1-2-0-8】勝率9.1%、複勝率27.3%は有馬記念組【1-1-0-1】に注目。距離が900mも短くなるため疑いたくなるが、そこはむしろ買いと判断したい。ライラックは2年前の桜花賞以降、一貫して中距離を歩んできたが、休み明けの府中牝馬S3着をみる限り、決着時計が速くならないスローなら対応できる。 前走GⅢ【4-4-6-40】勝率7.4%、複勝率25.9%の内訳をみると、1400mの京都牝馬S【2-2-2-17】勝率8.7%、複勝率26.1%。その3着以内【2-1-1-5】、4着以下【0-1-1-12】で、前走好走が条件になる。5着シングザットソングはデータ上、少し厳しい。 牡馬相手のレースなら東京新聞杯が【1-0-1-5】勝率14.3%、複勝率28.6%。1着【1-0-1-0】、2着以下【0-0-0-5】とさらに好走ゾーンが狭い。6着マスクトディーヴァ、9着ウンブライルはこのデータを覆せるか。基本、前走好走馬が強いレースだ。 前走オープン・L【2-0-0-15】勝率、複勝率11.8%では、ドゥアイズの洛陽Sが【1-0-0-1】。昨年、サウンドビバーチェが11着から1着に反転した。大敗馬の再浮上が難しいレースとしては珍しい結果だった。 ドゥアイズはその洛陽Sを勝って参戦する。洛陽Sは序盤600m33.8、前後半800m45.5-47.1、ラスト600m35.3で勝ち時計1:32.6とハイペースだった。追い込み決着を4コーナー6番手から粘り切った内容は評価できる。問題はスローペースになってどう出るか。前走とのギャップに戸惑わなければ面白い。 ライタープロフィール 勝木 淳 競馬中心の文筆家。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュースエキスパートを務める。新刊『キタサンブラック伝説 王道を駆け抜けたみんなの愛馬』(星海社新書)に寄稿。
勝木淳