保志総一朗、ネタバレできない劇場版『機動戦士ガンダムSEED』の見どころを明かし石田彰らキャスト陣から総ツッコミ「キラ出てこないの?」
アニメ「機動戦士ガンダムSEED」シリーズのイベント「機動戦士ガンダムSEED FESTIVAL ~CONNECT あの時代を超えて~」が11月19日、文京シビックホールで開催され、キラ・ヤマト役の保志総一朗、ラクス・クライン役の田中理恵、シン・アスカ役の鈴村健一、アスラン・ザラ役の石田彰、シリーズ最新作の劇場版『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』(2024年1月26日公開)に新キャラクターとして登場するオルフェ・ラム・タオ役の下野紘が参加。さらに、T.M.Revolution、玉置成実も登場し、シリーズを彩る名曲を披露し、ファンと共に「機動戦士ガンダムSEED」、「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」を振り返り、公開が控える新作へのアツい思いを語った。 イベントは生アフレコ、ライブ、トーク、新情報発表と盛りだくさんな内容に。T.M.Revolutionは「INVOKE -インヴォーク-」「Meteor -ミーティア-」「ignited -イグナイテッド-」、玉置は「Believe」「Realize」「Reason」の3曲をそれぞれ披露し会場の熱気を高めた。また豪華声優陣がたっぷりとお届けしたのは「機動戦士ガンダムSEED」からアスラン、ラクス、キラのモノローグ、「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」からシン、キラ、アスラン、ラクスによる生アフレコ。「機動戦士ガンダムSEED」の生アフレコは、2003年開催のイベントで披露した生アフレコを抜粋したものだったため保志は「感動が蘇りました。あの時も緊張感がすごくあったけれど、やっぱりピリッとしますね」としみじみ。生アフレコ後の張り詰めた空気のなかで保志のトークを聞くと「ホッとする」とのMCのコメントに石田も「変わらないよね。安心する!」と笑顔。キラの声を聞き「自分でもビックリした。キラいたぜ!って思った」とニコニコ話す保志のトークは、会場を和やかなムードに包み込んだ。 【写真を見る】映画『ガンダムSEED FREEDOM』の新たなメインビジュアルも解禁! 石田は「あの時の自分よりもアップデートしているだろうって。もし違っていてもそれは成長と捉えてやっていました。解釈の仕方が大人になった分、より見えてくるものもありました。当時と見比べる勇気はないけれど、現時点での僕のベストだと言えます!」とアスランの悩みを物語るようなコメントで生アフレコの感想を語った。「(生アフレコの)台本をいただいた時に、これ前にやったなーって思いました。覚えていたんです、セリフを」と明かした田中は「あの時のラクスができるのだろうか、時間が経つのは早いななどと思っていました」と話し、劇場版の発表から長きに渡り信じて待ち続けたファンに向かって改めてお礼を伝え、会場から大きな拍手を浴びていた。 鈴村が披露したのは「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」の第34話「悪夢」でシンがキラを倒す名場面。「またキラを落としてやりましたよ」とニヤリとした鈴村は「あのシーンはとても印象的で、いろいろな意見も多くて。気合が入りすぎて、憎々しさが増している気もしました」とシーンへの思いを話し、この日は名場面をぎゅっと凝縮したものだったため「今日は(一気に)握手までいけたので、なかなかのものだなと思いながらやっていました」と充実感を漂わせていた。 ■発表にハプニングも?!劇場版の主題歌は西川貴教 with t.komuroの「FREEDOM」に決定! 劇場版のアフレコはすでに終了しているものの内容については「話せないことばかり」とのこと。保志が「妄想がめちゃくちゃ膨らんでいると思います。それを軽く覆します!」とコメントすると、キャスト陣が「覆すの?」と総ツッコミ。「キラが出てこないとかあるの?」という石田からの質問に「PVには出ていたので、あのくらいは出ているはず」と答える保志に鈴村は「ボケなのかどうか分からない」とタジタジ。周りがざわつき戸惑いを見せるなか、保志はマイペースに「みんなが思いもしないSEEDが待っています。僕も完成版を観るのが楽しみです」とコメントし笑いを誘っていた。 新作の情報を発表する「発表会ステージ」から登場した下野は「新参者ではございますが、よろしくお願いいたします」と恐縮しながら挨拶。「SEEDの空気をぶち壊すんじゃないかと若干、不安ですができれば仲良くしてください」と呼びかけ、大きな拍手を浴びていた。出演が決まりシリーズをしっかり観たという下野は「テレビ放送当時は、第一線で活躍する人気声優さんが出ているキラキラしたガンダムだと思っていました」とニッコリ。しかし、実際観てみると「血みどろで、愛憎渦巻くリアルな人間ドラマを描いた作品でした」と感想を述べると、保志と石田がすかさず「血みどろじゃないよ!」と声を揃えてツッコミを入れる。下野は「いやいや、血みどろでしたよ(笑)」と強調。「機動戦士ガンダムSEED」に抱いていたイメージが変わったとし「20年の時を経て登場する新キャラクターを演じます。なんか喋っていて急に汗が出てきました。会場からのプレッシャーに押しつぶされそうです」と待ちに待った劇場版を楽しみにするファンの前に立つことにじわじわと緊張が込み上げている様子だった。 公式ホームページの情報更新をこまめにチェックしているという下野は「『オルフェ・ラム・タオ(CV:下野紘)』しか書かれていなくて…」とキャラクターの情報がまったくないこと、だからこそなにを喋ってもネタバレになりそうだと心配顔。いま言えることとして、ダニエル・ハルパー役の松岡禎丞、リュー・シェンチアン役の利根健太朗の出演に触れ、「同じ事務所の松岡とトネケンがうちのチームにいます。あと中村くんもいます」とシュラ・サーペンタイン役の中村悠一も同じファウンデーション所属だとコメント。すると、鈴村が「中村はうちです。うちから派遣しました」と、事務所社長として送り出したと話し、観客を笑わせた。 イベントでは、劇場版の主題歌は西川貴教 with t.komuroの「FREEDOM」に決定したことも発表された。ガンダムシリーズ最初の作品、「機動戦士ガンダム」がテレビ放送されたのが1979年。その続編として公開された『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』(88)の主題歌は、TM NETWORKが担当した。西川は小室哲哉に声をかけたことについて、「40周年の時にこれまでのガンダムの楽曲に触れて、聴いて。いろいろな時代を紡いできたいろいろな楽曲があっていまがあると感じました。僕なりに時代を紡ぐ楽曲がある考えたなかでお声がけしました」と経緯を説明し、「新曲の発表ができたことがすごく嬉しいです」と話した西川は「実は、イベントで楽曲の発表をする少し前に、ネットニュースで解禁されちゃったようで…」と申し訳なさそうに切り出す。実はイベントが少々押して進行してしまったため、イベントでの発表よりも先に主題歌決定のニュースが流れてしまったという。「イベント会場にいる人が後から知る形になっちゃっていますが…。20年前だったらこんなことはなかったです」とこの日のイベントで何度も触れた月日の流れに改めてしみじみ。「しかし、これもSEEDっぽい」と笑い飛ばし、「皆さんに直接お伝えですることができてよかったです!」とハプニングも受け入れて、会場を笑いでいっぱいにしてイベントを締めくくった。 取材・文/タナカシノブ