「常に“死ぬかも”と意識している」エジプトで遭遇した衝撃の日常風景とは【作者に聞いた】
海外に移住しオカリナのオンラインレッスンを行いつつ、X(旧Twitter)で漫画を発信して人気を集めているオカリナ講師のジャスティン(@Justin_ocarina)さん。ウォーカープラスでは、ジャスティンさんの海外での日常を描いた「月収5万エジプト在住 まあ死なんやろ日記」を連載中。連載最終回となる今回は、エジプトの日常で目にする風景について。日本では目にすることのない衝撃の光景についてインタビューを交えながら紹介する。 【漫画を読む】死と隣り合わせすぎる?エジプトの日常 ■誰ひとり“安心感”を持っていない環境 ――むき出しの高圧電線や壁のないエレベーターなど常に危険が隣り合わせなエジプトの様子が描かれています。現地の方々はどのように過ごしているのでしょうか? そういったことが原因で事故も起きているようですが、意外にも件数は少ないようです。誰一人「大丈夫だろう」という安心感を持っていないので、皆危険なものは自然と避けているようです。 ――普段そんなエジプトで暮らしているジャスティンさんですが、命を守るために気をつけていることはありますか? 常に「盗まれるかも」とか「死ぬかも」などと意識するようにしています。ケンカなどが起きれば遠ざかりますし、背後からバイクの音がすればカバンを抱えますし、武装警察や軍隊を見たら関わらないようにします。基本的に人混みも避けます。 ――現地の状況にすっかり慣れ親しんでいるジャスティンさんですが、今まで見たなかで最も驚いた光景について教えてください。 「モガンマ」と呼ばれる、以前使われていたビザの申請所です。外国人が1カ月を超えてステイしたい場合は必ずここに来なければなりませんでした。 ですがここはエジプトのコメディアンがネタにするほどカオスな状況です。難民、旅行客、現地人と結婚した外国人、外国に行きたい現地人などありとあらゆる人であふれており、英語は一切通じません。エジプトに初めて来た外国人といえど、アラビア語が喋れなければ何もすることができません。何をどう申請したらよいかなどの案内は全くありませんし、持ってくるべき書類もわかりません。係の人に聞いても、一人ひとりまるで違った案内をしてきます。それでもオーバーステイの罰則は恐ろしいものですのでどうにかしなければなりません。 またオフィスにパソコンなどは一切見当たらず、すべてが紙で処理されていました。処理が遅すぎて混乱を極めており、係の人も申請する人も皆一様にキレていました。 最終的にビザを受け取るときも「日本人!」とか「アメリカ人!」などと叫んでパスポートが返されるため、簡単に他人のパスポートを盗むことができました。もちろんそんなことはしませんが。 さすがに政府が事態を重く見たのか、最近はアバスィーヤと呼ばれる場所に別のオフィスが開かれ、状況はずいぶんと改善されました。まだまだ英語は通じず、案内もないのでカオスなことには変わりありませんが、なんと番号札があり、アナウンスで順番に窓口に呼ばれます。感動です。 ――今回が連載最終回です。約半年間の連載を経て何か日常の見え方や考え方に変化はありましたか?また、読者へのメッセージがあれば教えてください。 世界っておもしろいなと思う中で、最近は「日本」も世界から見て超絶興味深いなと思いはじめました。外国人の友人たちからよく言われるのですが、いい意味でこんな独特な国は世界のどこを探してもないです。なので「日本人からみたエジプト」と同じように「外国人からみた日本」という視点にも今後注目して行きたいなと思いました。 またここまでお読みいただいた読者の方、私の作品の感想を言ってくださる方、自分の外国でのおもしろ経験を思い出してシェアしてくださる方、また私の作品を見て自分の生活や価値観が変わったと言ってくださる方、すべての方に感謝しています。今後もこのようなものを作り続けていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。