《ブラジル》ブラジルの大学受験 長野育ちの日系4世の挑戦(13) 逆境乗り越え挑戦続ける日系仲間
コロナ禍が訪れた。隔離生活を送る中、「人助けが出来てどんな時でも仕事がある職に着きたい」と思うようになり、ブラジルで医学部受験を決意。諸費用を計算し数百万円を日本で貯めた。 21年2月に渡伯、医学部挑戦が始まった。1年目は予備校に入らず独学で挑戦。当地生活への適応への困難と、効率の良い勉強方法を編み出すことが出来ず、結果は不合格だった。 翌年は予備校の医学部コースへ入学し、一日14時間勉強したが不合格だった。3度目の挑戦となる去年は、受験科目の内容も理解していることから、医学部コースより安く自習時間が確保できる一般コースへ通った。朝7時から正午まで授業に参加し、午後は予備校の自習室に毎日籠った。 ブラジルの医学部は2次試験で理数科目を出題するので、その対策を入念に行った。結果は比較的対策が手薄になってしまっていた小論文の影響で、総合点が合格基準まで20点足らず、不合格となってしまった。 今年の年末も医学部挑戦を続けるが、もし不合格だった場合、進学先を経済学部に変更することも考えている。19年にブラジルを訪れた際に知り合い、現在付き合っている日系ブラジル人の彼女が投資銀行に務め、経済の仕組みに対する関心が強まっているからだという。 ラファエルさんは「目標に向かって動き始めるのが早ければ早いほど、目標に到達できる可能性は高くなる。だけど遅くても間に合う。今結果が出なくても、努力を積み重ねれば必ず夢は叶うと思っています」と語った。(終わり、松永エリケさん)