来季、プリンスリーグ関東2部昇格 復権に向けたジェフ千葉U-18の確かな胎動
ことしはじめ、特長のスピードが評価され、BチームからAチームに昇格。それ以降、レギュラーに定着した。本人曰く、ここ最近、調子が思うようにあがらず、スタメン落ちを覚悟していたそうだが、大事な試合できっちり仕事を果たした。試合後、スタッフから「この1年で成長したな」との声に照れ笑いを浮かべるなど、初々しい表情を見せた。また榁木は地元が蘇我に近く、小さい頃からのジェフサポーターという。こうした下部組織の選手が多くなると、チームもクラブも強くなれる。 いつまでも終わらない歓喜の輪。この光景を少し遠くの位置から、見つめるのが佐藤勇人クラブユナイテッドオフィサー、そして下部組織を統括する斎藤大輔アカデミーマネージャーら、かつて千葉を支えた選手たちだった。 約20年近く前、千葉といえば育成で知られたクラブ。前述の佐藤勇人や阿部勇樹(現:浦和レッズユースコーチ)ら下部組織出身選手がトップチームで主力として戦った。 しかし、時代は移ろう。今季、プレミアリーグEASTをみると柏レイソルU-18、市立船橋 流経大柏高校と12チーム中、3チームが千葉勢とレベルがあがっている。育成で知られたジェフ千葉はすっかり後塵を拝したといっていい。 しかし、今回のプリンスリーグ2部昇格はその復権への胎動となるだろう。いや、しなければならない。 「そうなるように働きかけたいし、そうなると思っています」千葉U-18 藤田健コーチはそう力強く語った。 (文・写真=佐藤亮太)