資金不足に悩む"哲学"へ3億円 KDDI共同創業者から京大へ寄付 基金創設し西田幾多郎や「京都学派」研究へ
京都大学は26日、KDDIの共同創業者として知られる実業家から哲学教育への支援金として3億円の寄付を受け、これをもとに研究者の育成などを進めるための基金を創設したと発表しました。 「西田哲学ー千本基金」は、KDDIの共同創業者として知られる実業家で京都大学出身の千本倖生さん(81)の寄付を原資に26日創設されました。 京都大学によりますと、この基金は世界的に著名な哲学者・西田幾多郎の研究や、西田の思想を基盤として生まれた「京都学派」の研究を支援する目的で活用されるということです。 26日午後、京都市左京区の「京都大学下鴨休影荘」(湯川秀樹博士旧宅)で開かれた会見で、千本さんは「哲学というものが、これからの日本の回復にとって不可欠なものだと常に思っていた」と話し、研究の発展に期待を寄せました。 こうした研究分野では、資金不足のために研究者を補充できない問題や、継承された資料が整理できていない現状があるといい、京都大学は「より多くの方々から寄付を募り、貴重な研究分野を忘却から守り、次世代へ承継・発展させ、社会へ還元していくことを目指す」としています。 今年度からの10年間で計3億円を、文学研究科の「日本哲学史専修」に助成するということです。
ABCテレビ