ロシアで迎えた8回目の冬で感じる地球温暖化 対策考えるならウクライナ戦争をやめよ 赤の広場で
ロシアで冬を迎えたのは今年で8回目になるが、今年の冬は例年になく雪が少ない。雪が積もる日もあるが、数日で解けてしまう。気温も高い。いつもの冬は路上に出ると呼吸するだけで肺が痛くなるような感覚を味わってきたが、今年はそうしたことはまれだ。 【写真】ロシアのモスクワ市内で、雪が舞う中、通りを歩く人々 これは個人的な感覚に過ぎないのかと気になって調べてみると、露メディアも「全土的に記録的な暖冬だ」と報じていた。過去の統計によると、モスクワの12月の平均気温はマイナス4度、1月はマイナス6度とされるが、昨年12月は平均より3度高かった。今年1月は5~7度も高いと予測されているという。 冬が暖かいのは暮らす分には良いが、地球温暖化のことを考えると喜んでばかりもいられない。ロシアでも暖冬に伴う農業生産への悪影響や、永久凍土の融解による洪水の頻発化などの懸念が伝えられている。 昨年11月にアゼルバイジャンで開かれた国連気候変動枠組み条約第29回締約国会議(COP29)で、ミシュスチン露首相は「ロシアは国際的な気候変動対策に積極的に参加している」と演説した。これを聞いたある日本の専門家が「そう言うなら、膨大な温室効果ガスを排出しているウクライナ戦争を早くやめるのが一番の貢献だろう」と突っ込んでいた。私も深く首肯した。(小野田雄一)