【ソフトバンク】緒方理貢が防球ネット高さアップ要求 打球がファンらに「当たるの見たくない」
ソフトバンク緒方理貢外野手(26)が27日、福岡市内の球団事務所で契約交渉に臨み、本拠地・みずほペイペイドームの防球ネットの高さ引き上げを要求した。 試合前練習で打球がアルバイト係員や練習見学のファンに当たるのを危惧。「当たるのを見たくないし、練習に集中したい」と提案した。緒方は3月に育成から支配下に昇格。シーズンを通じて1軍でプレーし、年俸は600万円増の1300万円でサイン。さらに野球に集中できる環境を求めた。 ◇ ◇ ◇ 育成からはい上がってきた男は、さらに野球に集中できる環境を求めた。契約更改を終えた会見の席。球団への要望を問われると、緒方は言った。 「球場関係のことでちょっと思っていることがあったので。そこは言わせてもらいました。ネットの高さを上げて欲しいというところと、試合前の打撃練習のときにコカ・コーラシートでバイトしている方がいると思いますが、そこにボールが当たるのを何回か見ていたので、どうにかしてほしいと」 本拠地の試合前は、ホークスの打撃練習をファンはスタンドで観戦できる。コカ・コーラシートと呼ばれるフィールドに突き出した席からも、ヘルメットをかぶって見学可能。打球を避けるためのついたて式のネットはあるが、打球が飛び込むたび、危険を知らせるために選手たちが叫ぶ。緒方も何度も経験したのだろう。 「(打球が)当たるのを見たくないし、試合前にそっちに気を向けたくない。試合前の練習はすごく大事だと思っているので、そういうのがなければ集中して練習できると思って言わせてもらいました」 練習に集中したい思いと同時に、観客や係員の安全に配慮した提案だった。 川村、仲田ととともに「育成三銃士」と呼ばれた。3人の中でシーズンを通して1軍でプレーしたのは緒方だけで、86試合に出場し、打率1割7分3厘、4打点をマーク。ただ途中出場が多く、契約のテーブルでは査定が思った以上に上がらないことも実感した。「評価を聞いても守備固めの評価は永遠の課題だと。あまり上がらないと。そこは自分も理解していますし、スタメンで行ってナンボの世界。来年はそこを狙って頑張りたいと思います」。悔しさも胸に秘め、来季は練習から完全集中でさらなるサラリー引き上げを狙う。【佐竹英治】 ▽ソフトバンク三笠GM(ネット引き上げの要望について) そういう要望は結構、チームの方からもある。自分の打球が当たってしまうのを喜ぶ選手はいませんので。お客さんからは、ネットはなくてもいいからよりエキサイティングな試合を見たいという要望もある。我々チームとしては安全にしてもらった方がいいという話は(事業サイドに)伝えてはいる。安全対策が重視されるようになってきたし、継続的に考えていく事案と考えています。 ◆シリーズ査定 西武石井貴は04年の公式戦わずか1勝ながら、中日との日本シリーズで2勝しMVPに。「シリーズ中の査定は僕がトップ」と猛アピール。 ◆大声料 オリックスの下山真二は05年、ベンチでヤジを飛ばし過ぎ、喉にできたポリープを手術で取り除いた。ムードメーカー役への評価を訴えた。 ◆背番号変更慰謝料 オリックスのコリンズ監督の就任に伴い06年オフ、後藤光尊が背番号1を監督に譲った。契約更改で「慰謝料」を求めた。 ◆嫌がらせ手当 ソフトバンクの長谷川勇也は09年オフ、ファウルの多さやフルカウントから4割超の打率など、相手投手を疲弊させた貢献をアピールした。 ◆トイレットペーパー変更 23年に首位打者となったオリックス頓宮裕真は、京セラドーム大阪のトイレットペーパーを「ダブルに変えてほしい」と要求。