西国三十三所草創1300年記念「中山寺」勇壮行事
「星下り大会式」が行われた
西国三十三所草創1300年記念「中山寺」勇壮行事 THEPAGE大阪 撮影:北代靖典
日本最古の巡礼路「西国三十三所」では、草創1300年を記念し、今春から2020年まで特別行事を展開中だ。そんな中、24番札所「中山寺」(兵庫県宝塚市)ではこのほど、三十三の観音様が中山寺に参集する「星下り大会式」が行われた。 戦没者慰霊と世界平和を祈る 奈良で「大文字送り火」
古くから「安産の寺」としても名高い
日本最古の巡礼所33寺院で構成する「西国三十三所札所会」は、 2018 年に草創 1300 年を迎える。これを記念して、今春から 2020 年まで 5 年間にわたって、「西国三十三所草創 1300 年記念事業」と題し、歴史的な行事を実施している。 その一環で、同会は、西国三十三所すべての観音様が参集する「星下り大会式」を中山寺にて斎行した。中山寺は、聖徳太子の創建によると伝えられ、わが国最初の観音霊場だ。御本尊は十一面観世音菩薩で、古くから「安産の寺」としても名高い。 「星下り大会式は、33の観音様が、星が降るよう来迎されることから名付けられました。古来よりこの日に中山寺にお参りすると、西国三十三所のすべてにお参りしたのと同じ功徳があると言われています」(関係者)
梵天を載せた御輿を担ぎ練り歩く
また、当日は午後から「稚児梵天」が行われた。これは、界隈の子どもたち約170人が集結し、梵天を載せた御輿を担ぎ練り歩くというもの。暑い陽ざしの中、太鼓を打ち鳴らし「わっしょい、わっしょい!」の掛け声とともに歩き、その姿を大勢の人が見守った。 夜は「梵天奉幣」が行われ、塔頭5か寺の若衆が鉢巻き、たすき姿で掛け声とともに 石段をかけあがり梵天を授かり、威勢よく動き回る。こちらは大人の若衆だけに、かなり勇壮な行事だ。他に特別奉賛行事として和太鼓演奏 能勢太鼓「絆」などもある。さらに参道には夜店が立ち並び、賑わいを見せた。
西国三十三所とは 718年(養老2年)、観音菩薩が人々を救うために示したと伝わる観音霊場のルーツだ。その後、「観音菩薩は33の姿に身を変えて人々を救う」という教えのもと「西国三十三所」と総称されている。 各寺院は「札所」となって順番に参拝する巡礼文化を生んだが、その総距離は約1000キロにも及び、和歌山県、大阪府、 奈良県、京都府、滋賀県、兵庫県、岐阜県の2府5県を包括するように伸びている。 日本の歴史を知ることのできる、厳かで勇壮な行事と言える。 (文責/フリーライター・北代靖典)