高橋尚成氏、山本由伸 初回満塁で開き直った155キロど真ん中2球で空振り さすが、としか言いようがない
◆米大リーグ カブス1―4ドジャース(6日・米イリノイ州シカゴ=リグレーフィールド) ドジャース・山本由伸投手(25)が6日(日本時間7日)、敵地・カブス戦で3登板目にしてメジャー初勝利をつかんだ。初回にいきなり無死満塁のピンチを迎えたが、3者連続三振と圧巻の投球でリズムに乗り、5回80球で3安打無失点。鈴木誠也外野手(29)から三振を奪うなど、毎回の8奪三振だった。 由伸のすごさは、初回に集約されていた。無死満塁のピンチ。見せ場は、4番・モレルをカーブ3球で空振り三振に斬った後のスワンソンとの対戦だった。 ボール3。並の投手はここで押し出し四球、もしくは球が甘く入って2、3点取られる。由伸はここで開き直れる。球の勢いで勝負する。155キロの真っすぐをど真ん中に2球投げ込んで、ともに空振りを奪って追い込み、最後は内角低めに156キロを決めて見逃し三振で仕留めた。さすが、としか言いようがない。 スプリットが見逃されたのは、カブスの対策だろう。前回のカージナルス戦で、相手は低めのスプリットをことごとく空振りした。この日は、低めは捨てろ、が徹底され、打者の目線が上がっていた。こうなるとカーブが効く。真っすぐと同じように上からくれば、打者はここぞとばかりに振ってくる。由伸のカーブはスプリットの倍以上の落差がある。ボールゾーンに落ちて、空振りが取れたワケだ。 5回80球。もう少し投げたい気持ちがあったはずだけど、ロバーツ監督は交代が早め。監督の決定は絶対だから受け入れるしかないから、ストレスに感じないことが一番。待望の白星が付いた。これでさらに波に乗るだろう。(野球評論家)
報知新聞社