<高校サッカー>大会ナンバーワンストライカー 亡き恩師に誓う白星
■少年時代の恩師の訃報 小屋松には、もうひとつ、負けられないモチベーションがある。大会が始まって、小学校6年生の時に、お世話になった女性教諭の訃報を知らされた。「勉強面だけでなく、自分が人としてどうするべきか、厳しく教えてもらった」という恩師からは京都府予選の際に激励の手紙を貰っていた。 「自分なりの恩返しはサッカーしかない。僕はお通夜に行けないので、自分が一番好きなサッカーで恩返しが出来れば」。優勝という栄冠を京都に持って帰ることが彼なりの恩師へのレクイエムだ。 ■優勝こそが恩師へのレクイエム 優勝まであと2つ。最大の山場である星稜戦は、ここまで無失点できている強力な守備力を誇る相手をいかに崩せるかがポイントとなる。PK戦で、“神セーブ”を連発しているGKを、小屋松がどう打ち破るのか。自らが仕掛けるのか、あるいは高まる警戒網を逆手にとり、また冷静に周囲を生かすのか。大会ナンバーワンストライカーと呼ばれている小屋松の真価の問われる大一番となりそうだ。 (文責・森田将義/サッカーライター)