坂本龍一、ディレクターズカット版『out of noise - R』&映画『トニー滝谷』サントラを同時リリース
坂本龍一による2009年のcommmons移籍第1弾ソロ・アルバム『out of noise』のリマスター盤『out of noise - R』がアナログレコード・CD・配信として、映画『トニー滝谷』のサウンドトラック・アルバムが初のアナログレコードとして、9月25日(水)に同時リリース。 『out of noise - R』リマスター盤は、坂本本人が残したディレクターズカット版データを新たにマスタリングし、タイトルに「- R」を追加した、全曲インストゥルメンタルの静かな作品。オリジナル・ソロ・アルバムとしてはシンセサイザーを一切使わない初めてのアルバムで、ピアノや自然音を主体に作られています。ゲストには、イギリスの古楽演奏グループのフレットワーク、笙奏者の東野珠実、雅楽の南都晃耀会に小山田圭吾、清水ひろたか、高田漣、クリスチャン・フェネス、ロブ・ムースら多彩なジャンルの弦楽器奏者を招いています。アルバム制作中に訪問した北極圏での体験に強く影響を受けた「disko」「ice」「glacier」が収録され、「glacier」は後にアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督映画『レヴェナント:蘇えりし者』(2016年)、「hibari」は是枝裕和監督映画『怪物』(2023年)の劇中にも使用。アナログレコード、CD、配信での発売となります。 初アナログレコード化の『トニー滝谷』サウンドトラック・アルバムは、村上春樹の短編小説を原作とした市川準監督による2005年公開映画のサウンドトラックで、坂本のコンサートでよく演奏された「Solitude」など、ピアノ演奏のみの静謐で美しい世界が構築されています。映画公開当時、CDやレコードでは未発売で、iTunes Storeでのダウンロード販売のみが行なわれて話題となりました。 また、同日にcommmonsより坂本のトリビュート作品『Tribute to Ryuichi Sakamoto “Micro Ambient Music” Vinyl Series vol. 3』をリリース。2023年ドイツ音楽評論家賞「Electronic & Experimental」部門受賞作となる本作品は、音楽より音、小さなものにこだわり続けた坂本の晩年の音楽への追悼として集められた楽曲集となっています。本シリーズは隔月でリリースされ、シリーズ全6作品までを予定しています。