「私と同じくらいの苦しみを味わわせてやる」余命1年半の宣告と夫の不倫告白を同時に受けた74歳女性の壮絶な復讐劇
男と女:恋愛の落とし前 #3
「不倫はすることより、バレてからが本番」、「男は世間体をとり、女は自分をとる」。余命宣告を受けた74歳の女性が夫から告白されたのは衝撃的な告白だった。恋に浮かれる人にも、不倫の愛に悩む人にも、人生を狂わされた人にも突き刺さる不倫劇とは。 【写真】不倫する男女
『男と女:恋愛の落とし前』より一部を抜粋・再構成してお届けする。
恋愛の奥底には負の感情が渦巻いている── 余命1年半、夫と友人の不倫を知った74歳
私の目の前にいる方は、74歳の郁代さん。 現在、76歳の夫・修さんと横浜郊外の二戸建てで暮らしている。娘ふたりは結婚し、子供もいて、それぞれ家庭を築いている。 テーマが恋愛なのですが、よろしいですか。 「ええ、もちろん。でも、もうこの歳ですから、期待外れの話になってしまうかもしれませんけど」 どうぞお気になさらずに。 「何からお話しようかしら」 では、自己紹介から伺わせていただきます。 「私はいわゆる戦後第一次ベビーブームの団塊世代です。とにかく人数が多かったから、1クラス50人以上も生徒がいて、それでも教室が足りないから、化学室やら美術室までつぶすような状況でしたね。何をやるにしても競争社会で、受験戦争も経験しています。いちおう第1志望の私立大学に合格できたのでホッとしました」 学生生活はどのような? 「学生運動の真っただ中でしたから、巻き込まれるような形で私も集会に参加したりしていました」
結婚は26歳の時です。夫は大学の2年先輩で『広告研究会』というサークルで出会いました
活動に熱心だったのですか? 「だからってのめり込むようなことはなく、今思えば好奇心だったのでしょうね、その時代の通過儀礼とでもいうべきかしら。いろいろありましたけど、大学を卒業し、就職もしました」 お仕事は? 「アパレルメーカーです。洋服関係が好きでしたし、高度成長期の真っただ中で、将来性のある仕事だと思えました」 その後大流行となったDCブランドブームが懐かしく思い出される。私も若い頃にはお世話になった。 仕事は楽しかったですか? 「ええ、とても。やはり仕事って楽しくないと続けられませんね。だから娘たちにも子供の頃からよく言い聞かせてきました。楽しいと思えることを仕事にしなさいって。おかげで娘たちも今の仕事を楽しんでいるようです」 ご結婚は? 「26歳の時です。夫は大学の2年先輩で『広告研究会』というサークルで出会いました。結構目立つ人で、女の子たちからも注目される存在だったから、最初は何て言うか、ちよっと浮ついた男に見えたんですけど、話しているうちに頭の回転もいいし、将来のこともきちんと考えていることがわかって、交際が始まりました。交際6年の結婚です」 モテ男だったのですね。周りからの嫉妬もあったのではないですか。 「あったかもしれませんけど、あまり気にならなかったですね。私も今はすっかりおばあちゃんですけど、これでも若い頃はかなりモテましたから、そこのところはお互い様ってことで」 ジョーク混じりに仰ったが、確かに今もお綺麗である。 ご主人の仕事を聞かせて下さい。 「広告代理店です」 華やかな職種である。