「独身だから家の都合ないでしょ?」…“子持ち様”との溝、なぜ深くなった? 不公平感を解消するカギは?
「子持ち様」という言葉によって子育てしながら働く人への批判が相次いでいる現状について、政治学者の佐藤信氏は「共働きに関する問題は昔からあった。かつては地域社会で共働きの人と専業主婦の対立が問題となったが、共働きが主流になった今、対立が職場に移ってきたことに時代を感じる」と述べ、「そもそもの前提として、『子どもがいるかどうか』で線引きをすべきではない」と強調した。 「子どもがいたとしても、子どもの性格や体調、周りのサポート体制によって状況は大きく違う。今は介護の問題も同時にあるため、育児と介護の両方を担っている人はさらに厳しい。そのため、『子持ち様』などと定型的にすべきではなく個々人の事情を見て理解していくべきだ」 一方で、「制度と社会が現状に追いつくことは理想だがすぐには難しいため、個々の職場で対応していくことも必要だ」と訴えた。 「場合によっては、生産性が落ちた社員の給与を一定程度引き下げるような対応も検討すべきだ。そうすることで、育児や介護を行なっている人たちも『ここまで出来ていなくても自分は許される』という働き方ができる。また、これまで会社では公私を分けようという流れがあったが、それぞれのプライベートな事情を組み込まなければ、それぞれが満足して働けない状況が生じるようになったことで“公私の再編”が必要になっている。新しいフェーズに入ってきて、その中で私たちが新しい働き方、新しい社会の作り方に慣れていくことも大事なのでは」 (『ABEMAヒルズ』より)