小学生で182センチ、100キロ…韓国リトル野球に現れた「第2の大谷」
「韓国に『第2の大谷翔平』がいる」。日本の東京スポーツは最近、韓国のリトル野球の選手をこのように紹介した。仁川(インチョン)西区リトル野球団のパク・ソクヒョン君(12、仁川ワンギル小6年)がその主人公だ。 5日、仁川ドリームパークを訪れると、ひと目でパク君を見つけることができた。小学6年のパク君はチームの中で体格が断トツに大きかった。パク君の身長は182センチ、体重は100キロ。あたかも大人が子どもたちと野球をしているようだった。 「これほど話題になるとは思っていなかった。大谷選手は本当に尊敬している選手で、映像もたくさん見た。偉大な選手と比較されるのは負担になるが、それでもうれしい」。パク君は照れくさそうにしながらもはっきりとこのように語った。大谷もリトルリーグ出身だ。 パク君が関心を集めることになったのは先月開催された第10回朴賛浩(パク・チャンホ)杯リトル野球大会決勝戦の映像のためだ。1番打者で登場したパク君は力強いスイングで二塁打2本を打った。相手チームはパク君を避けるため敬遠もした。大きな体格で盗塁も決めるなどスピードもあった。 先月開催された竜山(ヨンサン)区庁長旗の準決勝でもパク君は満塁本塁打、2ランなど1イニング2本塁打という怪力を発揮した。身長201センチでパワーを誇る本塁打王アーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)を連想させる。 生まれた時の体重は2700グラムと、大きくはなかった。しかしその後の成長は早かった。小学1年で身長が144センチだった。最近はさらに身長が伸び、中学・高校選手と比較しても劣らない。レスリング選手として活動した父親パク・ソンヨプさん(46)が190センチの高身長だ。運動神経も父のDNAを受け継いだ。父のパクさんは現在、平凡な会社員だが、高校時代はレスリングの無制限級選手だった。 パク君が野球を始めたのも父の勧めだ。パクさんは「あまりにも肥大化するのが心配になり、幼い頃にテコンドーをさせた。その後、球技種目をさせたくて悩んだが、ソクヒョンの体格によく合う野球を勧めた」と説明した。パク君は「小学校1年の時に野球を始めたが、その時は野球について何も分からなかった。父に勧められて始めたが、最初から本当に楽しかった」と語った。 リトル野球は普通、小学3,4年の時に始めるのが一般的だ。しかしパク君は1年の時に仁川西区リトル野球団に入った。仁川西区リトル野球団は3年間に21回も決勝戦に進出した強豪チームだ。チョン・ミンソク監督は「あまりにも体格が大きいのでチームに参加することを認めた。ソクヒョンは幼い年齢で入ったので友達がいなかったが、本当に熱心に頑張った。成長しながら力もついて1年前から頭角を現した」と説明した。パク君の活躍もあり仁川西区リトル野球団は最近3大会連続で優勝するなど今年4回も優勝した。 パク君の長所は大きな体格でもスピードを兼ね備えている点だ。ポジションは左翼手だが、時々マウンドに立つほど肩もよい。パク君は「投球練習もするが、まだ野手を中心にしている。最高球速は118キロまで上がってきた。後に投手と打者を共にやってみたい」と語った。 リトル野球選手は普通、趣味でする子どもが多い。パク君は柳賢振(リュ・ヒョンジン)を輩出した野球名門ドンサン中に進学して本格的に野球をする考えだ。学業も怠らない。 父のパクさんは「ソクヒョンは勉強も好きなほうだ。まだ幼いので本人が望むことを全部させたい。野球が得意な検事や医者になるのもいいと思う」と言って笑った。パク君は「数学が好きで、問題を解くたびに快感がある。できれば数学の勉強も続けたい」と話した。「勉強」と「野球」のうち一つの選択を迫られる状況になればどうするのか。パク君は1秒もためらわずこう答えた。 「野球をする。プロ選手になれるなら元兌仁(ウォン・テイン)選手のように投げて李大浩(イ・デホ)選手のように打ちたい。性格も実力も立派な人になりたい」。 投打兼業の「二刀流」を越えて学業まで「三刀流」を夢見るパク・ソクヒョンの挑戦はいま始まったばかりだ。