TEXT=一寸木芳枝

アメリカ・ニューヨーク州と隣接し、あのナイアガラの滝がある場所としても知られるカナダ東部のオンタリオ州。州内には800を超えるゴルフコースがあり、リタイアメント後のセカンドハウスを構えるエグゼクティブも多い。彼らを引き寄せるカナダゴルフの魅力とは。 【写真18点】カナダで絶対に回るべきゴルフ場2選

ライフスタイルに合わせて選べるコースの選択肢が豊富

カナダゴルフのベストシーズンは4月～10月。日本と同様に四季があるものの、冬は寒さが厳しく、その間はウィンタースポーツへとシフトする人が多い。“ターフ＆スノー”、というのがこの地に住むエグゼクティブの日常だ。 だが半年間、コースがクローズしているぶん、シーズン中の芝の状態はすこぶる良く、フェアウェイはふかふかの絨毯そのもの。メンテナンスが行き届いた極上の芝からナイスショットを放った時の爽快感たるや、一度味わえば虜になるのは間違いない。 環境意識の高い国だけに、敷地全体が自然保護区として認定されていたり、100年以上前に設定されたグリーンを今も変わらずに使用しているなど、自然と共生しているのも特徴だ。 また、841あるオンタリオ州のゴルフコースのうち、664のコースがパブリックのため、誰に対しても開かれているフラットさも魅力。ツーリストやビジターも気軽にティータイムを予約できる。 パブリックといっても、その設備はあなどれない。ショートコースや9ホールのみのコースのほか、生芝から打てるドライビングレンジ、最新鋭のトレーニングアカデミーやフィッティングスタジオを備えているコースもある。それでいてラウンドフィーは日本円で1万円台とくれば、毎日でもプレーしたくなるのもうなずける。 どのコースにもすぐ近くに高級レジデンスエリアがあり、リタイアしたエグゼクティブはそこを拠点にコースへと繰り出す。なかには自宅からMyカートで訪れるシニアの姿も。 今回は、ナイアガラ観光に訪れた際にも立ち寄りやすい2つのコースを紹介する。

1.1875年開場、北米で現存する最古のゴルフコース

「ナイアガラ・オン・ザ・レイク ゴルフクラブ」 ナイアガラの滝から車で約30分の距離にあるナイアガラ・オン・ザ・レイクは、100年以上前の街並みを今も残すノスタルジックなムード漂う小さな街。ナイアガラワインの産地としても知られ、ワイナリー巡りの拠点にする人も多い。 そんな街のメインストリートからわずか2ブロックという至近に広がるのが北米最古のゴルフコース「ナイアガラ・オン・ザ・レイク ゴルフクラブ」だ。ナイアガラ川が流れ込むオンタリオ湖に沿って展開されていて、対岸にはニューヨーク州やナイアガラ砦を望む。 コースは9ホールのみで、プレーヤーは手引きカートで歩いてラウンドするのがここのスタイル。“レイクサイドコース”ならではの美しいビューとのんびりとした空気感がなんとも心地良い。セミプライベートコースながら、ビジターに開放されているティータイムもある。 バンカーを新たに加えたり、グリーンを移動させて距離を長くするなど、少しずつ手が加えられてきたが、フェアウェイはすべて150年前のまま。1番、2番、8番グリーンもまた、開場以来、変更されていない。 ラウンド後はクラブハウス併設のレストランで、シグネチャーカクテル「Waterfront Caesar」で乾杯するのをお忘れなく。 「ナイアガラ・オン・ザ・レイク ゴルフクラブ」 住所：143 Front Street, P.O. Box 45 Niagara-on-the-Lake, ON L0S 1J0, Canada