女子走り幅跳び、秦澄美鈴がパリ五輪代表入り 「ほっとした」も課題に反省しきり
パリ五輪代表選考会を兼ねた陸上の日本選手権最終日は30日、新潟市のデンカビッグスワンスタジアムで各種目の決勝が行われ、既に五輪参加標準記録を突破していた女子走り幅跳びの秦澄美鈴(住友電工)が優勝し、日本陸連の選考基準を満たして代表入りを決めた。 勝てばパリ五輪切符獲得という重圧をはね返した女子走り幅跳びの秦は、助走路に雨水がたまる悪条件の中で、6メートル56をマークして4連覇を達成。「五輪の内定をとれてほっとしている」とほほを緩めた。 跳躍自体には課題を感じたという。1回目で6メートル17を跳んで2位につけると、2回目、3回目とじりじり記録を伸ばしてトップに立った。それでも、「前半3本で結果を残したいと思っていたけど、うまくいかなかった」。最終6回目にこの日最長の跳躍で意地を見せたが、「まだまだやることはある」と反省しきりだった。 昨年7月のアジア選手権で6メートル97を記録して、金メダルを獲得。日本新記録を樹立するとともに、パリ五輪の参加標準記録(6メートル86)もクリアし、一気に世界に近づいた。今季は5月の木南道孝記念で6メートル72の大会記録で優勝。パリ五輪での決勝進出を見据えて、強化を続けてきた。 世界選手権は2度経験しているが、五輪は初めてとなる。夏の大一番に向けて助走の改善などを課題に挙げ、「助走も踏み切りも完璧といえる跳躍を目指したい」と言葉に力を込めた。(小川寛太)