砂漠緑化実現のカギは“おむつ” 小学生が考えたスゴすぎる自由研究 使命は「地球を救うこと」
加世田代表の講座の進め方は特徴的だ。子どもが興味のあるテーマを引き出し、「確かめてみよう!」と実験を促し、決して答えを言わない。まろくんの場合は、机の引き出しや周辺に重曹やクエン酸、試験管などが整然と置かれていて、自ら導き出した考察を堂々と伝えている。 加世田代表: 「もともと彼は知識と想像力が高く、日々の生活の中で頭を整理してまとめることを繰り返してきた」 まろくんが受けているオンライン講座では、その日の最後に学びを振り返りまとめる。つまり、まろくんは学習の内容をまとめることを日常的にやっていて、その積み重ねをブラッシュアップしたものがコンテストで受賞したリポートにつながった。 まろくんの実験は身近なものを使うのが特徴。砂漠の緑地化プロジェクトでは時々降る雨水を貯める方法が有効と考え、妹が使っている紙おむつの吸水性に着目する。おむつに含まれる高分子樹脂は大量の水分を保持することができ、おむつ1個で平均約4キロの水を保持することを確認。試行錯誤を重ね、高分子樹脂と砂を混ぜた上で、はつか大根とバジルを発芽させ、成長させることに成功した。 さらに樹脂が一度乾燥しても再度水を吸収することも確かめ、枯れる前に収穫するか、水を加えることで緑地化成功のモデルを構築する。『いっそのこと汚れたおむつごと活用できないか?栄養が豊富だし、ごみも減る』との提言をレポートに盛り込んだ。 ■自分の使命は「地球を救うこと」 母親は「なんで、なんでという知りたがり屋さんだった」と幼いころのまろくんを振り返る。よくおしゃべりをして、話を聞いてあげるのが大変だったとも。それでもわが子の話に耳を傾け、興味に応えてきた。 いつでも実験できる自宅の勉強部屋は立派なキッズラボに改装。毎回科学講座が終わった後、親子一緒に発想を膨らませ、学んだことをまとめている。コンテストに向けて家族は熱心にサポートした。受賞は家族の最高の思い出になったという。