南海トラフ地震臨時情報「巨大地震注意」発表 “日頃からの備えの確認”を
さきほど気象庁は、午後4時43分頃の地震が南海トラフ巨大地震と関連があるとして南海トラフ地震臨時情報巨大地震注意を発表しました。 この臨時情報は、南海トラフ巨大地震が発生する可能性が普段と比べて相対的に高まったときに国民に注意を促すために気象庁が発表するものです。 南海トラフ地震臨時情報が発表されたのはこれまでで初めてのことです。 気象庁は午後4時43分頃、日向灘で発生した地震が南海トラフ地震と関連があるのかどうか、有識者による評価検討会を開き調査していました。 その結果によりますと、今回の地震は南海トラフ地震の想定震源域の陸のプレートとフィリピン海プレートの境界の一部がずれ動いたモーメントマグニチュード7.0の地震と評価されました。 世界の過去の事例でみると、マグニチュード7クラスの地震が起こった後1週間以内にマグニチュード8以上の地震が発生したのは数百回に1回程度で、通常の数倍程度です。 気象庁は特定の期間に必ず巨大地震が発生することを知らせる情報でないとしたうえで、平常時と比べて大規模地震の発生の可能性が相対的に高まっていると説明しています。 気象庁などでは地震の発生時期の予測は科学的に困難としていますので、この発表があったからといって確実に大規模地震が起こるというわけではありません。 しかし南海トラフ巨大地震に限らず、大きな地震が起きたあとは地震が発生しやすい状態が続きますので、引き続き揺れが小さかった地域でも今後の地震にも注意が必要です。 またこのように聞きなれない情報が出たときには、SNSなどでデマや不確かな情報が発生しやすくなります。そうした情報に惑わされないよう国や自治体などからの正しい情報をもとに行動することが大切です。 愛媛県の中村知事も県民に対し、2つのお願いを呼びかけています。 ・この情報は大規模地震の確実な発生を予知するものではなく不確実性をはらんでいるとして、冷静な行動を心がけ可能な限り日常生活を継続すること。 ・それぞれの状況に応じた日頃からの地震への備えを確認すること。 巨大地震注意で求められている「日頃からの備えの確認」についてお伝えします。 これは日常生活を行いながらも次に発生する大きな地震による被害を軽減できるよう、普段以上に地震に備えて注意するようにということです。 それでは、具体的な備えについて見ていきます。 ①安全に避難するための備え ・自治体のハザードマップを確認し地震や津波、土砂災害のリスクがある場所を確認する ・安全な避難経路や避難場所を確認しておく ・建物や家の出入り口には避難の妨げになるようなものを置かない ・避難となったときに家族の安否を確認する方法をあらかじめ話し合っておく ②非常用持ち出し品の確認 就寝時にでもすぐに持ち出せるような準備をしておきましょう。 ・貴重品や常備薬、携帯電話のモバイルバッテリーなどを忘れないようにしましょう ・また新型コロナの感染対策としてマスクや消毒液、体温計なども準備をしておくと安心です ・小さなお子さんがいる方はミルクやおむつなども確認しましょう ・携帯電話は大切な情報ツールです。定期的に充電をしておきましょう ③家の中で出来る対策 ・強い揺れでタンスや本棚、冷蔵庫などの家具・家電が倒れてこないよう固定しておきましょう ・食器棚や引き出しから物が飛び出したりガラスが飛散しないよう対策をしておきましょう ・落下物でケガをすることがあります。高い所に物を置かないようにしましょう ・寝る際には家具などが倒れてこないかの確認懐中電灯やスリッパなどを近くに置いておくと安心です ④企業が気をつける点 ・従業員や利用客の避難誘導ルートの確認や避難経路、避難場所の確認 ・建物の中の棚や机の転倒防止 ・文書を含む重要な情報のバックアップ、被災しない場所に保管 ・従業員の安否確認の方法を決める ・被災後の事業継続のため、輸送に必要な代替ルートの検討や必要な資機材の確認