統合新病院の整備候補地について、県営スケート場一帯に合意したことを市議ら（手前）に説明する市執行部（奥）

　青森市は27日、青森県立中央病院と青森市民病院の統合新病院の整備候補地に関する議員説明会を開き、同市浜田の県営スケート場一帯で県と合意したことを報告した。サンドームの移転先となる青い森セントラルパーク（同市浦町）について、西秀記市長はスポーツだけでなく文化的なゾーンも整備してまちづくりを進めたいとの考えを示した。 　西市長はスケート場一帯に合意した経緯や、新駅整備を含む交通対策を県と市が連携して早急に検討を進める－など、合意する上での条件となった「課題解決のための具体策」を説明した。 　蛯名和子議員（立憲民主・社民）は、今後のセントラルパーク周辺のまちづくりについて質問。西市長は「（市総合体育館もあり）スポーツゾーンみたいになるが、個人的には例えば文化ゾーンなどほかの魅力もつくらないと、街として不十分だと思っている。その辺も県と相談しながら、一帯のまちづくりを考えていく」と答えた。 　西市長はその後の記者会見でも「文化や教育を絡められるような機能が必要になる」と強調。サンドームの移転新築に当たっては、「老朽化して次の在り方を考えなければいけない公共施設との複合化も含めて考えていきたい」と話した。 　木下靖議員（市民クラブ）は、新駅整備は市が以前から県に要望していたことから「今に至ってまだ『検討』という文言にとどまっている。課題解決の具体策と言うにはあまりにもお粗末では」と指摘。赤坂寛副市長は「新駅は統合新病院の最寄り駅という意味合い。漠然として時期も見えなかった今までよりはかなり前に進んでいると認識している」と答えた。 　また、県が「協力する」としているサンドームなど市有施設の移転整備費用について「補償的な内容に準じるものと理解している」と説明する執行部に対し、木下議員は「協力の度合いが全く示されていないのに合意の理由としては不完全」と異議を唱えた。 　大矢保議員（自民）は一連の経緯を振り返り、「県の言いなりじゃないか。市はもう少し市の立場で強く出るべきでは」と苦言を呈した。