罵倒や舌打ち…パワハラ疑惑続々の兵庫県知事 県民の意で辞めさせることはできないの?
●百条委員会に知事を辞めさせる権限があるわけではない
──百条委員会は最終的にどんな判断をする機関なのでしょうか。知事を辞めさせる権限などはないのでしょうか。 百条委員会とはその名のとおり、地方自治法100条により設置される機関です。 同委員会は、普通地方公共団体の事務に関する調査を行うことができ、選挙人その他の関係人の出頭及び証言並びに記録の提出を請求することができます。 出頭又は記録の提出の請求を受けた者が、正当な理由なくこれを拒んだときは、6カ月以下の禁錮または10万円以下の罰金とされていることから、間接的な強制力があります。 国会において各議院に国政調査権が認められていますが(憲法62条)、これの地方議会バージョンといったところです。 百条委員会は、地方自治体の事務について、疑惑・不祥事を調査し、その事実の有無などについて判断することが可能です。ただし、あくまで調査のための機関なので、百条委員会が知事を辞めさせる権限を持っているわけではありません。 百条委員会で事実関係を調査し、その調査結果に基づいて、議会による不信任決議につなげるという流れになります。 【取材協力弁護士】 澤井 康生(さわい・やすお)弁護士 警察官僚出身で警視庁刑事としての経験も有する。ファイナンスMBAを取得し、企業法務、一般民事事件、家事事件、刑事事件などを手がける傍ら東京簡易裁判所の非常勤裁判官、東京税理士会のインハウスロイヤー(非常勤)も歴任、公認不正検査士試験や金融コンプライアンスオフィサー1級試験にも合格、企業不祥事が起きた場合の第三者委員会の経験も豊富、その他各新聞での有識者コメント、テレビ・ラジオ等の出演も多く幅広い分野で活躍。陸上自衛隊予備自衛官(2等陸佐、中佐相当官)の資格も有する。現在、早稲田大学法学研究科博士後期課程在学中(刑事法専攻)。朝日新聞社ウェブサイトtelling「HELP ME 弁護士センセイ」連載。楽天証券ウェブサイト「トウシル」連載。毎月ラジオNIKKEIにもゲスト出演中。新宿区西早稲田の秋法律事務所のパートナー弁護士。代表著書「捜査本部というすごい仕組み」(マイナビ新書)など。 事務所名:秋法律事務所 事務所URL:https://www.bengo4.com/tokyo/a_13104/l_127519/