福島県楢葉町・木戸川で今季初、伝統のサケ漁「合わせ網」 遡上数伸び悩み不漁続く
楢葉町の木戸川で24日、木戸川漁協が伝統のサケ漁「合わせ網」を今季初めて行った。今季も全国的に遡上(そじょう)数が伸び悩む中、不漁に頭を悩ませる組合員が23匹を捕獲した。 木戸川は東日本大震災前は本州有数のサケの遡上地で、10万匹前後の漁獲量を誇った。だが津波被害や原発事故による避難で4年にわたり稚魚の放流ができなかった。2015年にサケ漁を再開したが、3千~8千匹で推移する不漁に加え、捕獲数の少なさから放流数も増えない状況が続いていた。 19年からは漁獲数がさらに減って数百匹となり、昨年は最少の124匹。今季は9月末に「やな場」を設置したが、漁獲数はわずか3匹だった。 漁協職員の鈴木謙太郎さん(42)は不漁の原因について、海水温の高さや4年前の放流数の少なさなどを挙げ「海水温が下がる今後に期待している」と話した。 松本秀夫組合長(76)は「最盛期は1回の合わせ網で千匹以上を捕獲した。現状は何とも寂しい」と豊漁を待ち望んだ。
福島民友新聞社