【ふくしま創生】もみ殻原料のトレー開発 自然に優しく再利用可 産業賞など受賞の福島県内3社連携
ふくしま産業賞などの受賞を契機につながった福島県内3社が、今まで廃棄されていた県産米のもみ殻を使い、自然に優しいボタニカル(植物由来)トレーを開発した。古くなった製品は回収し、トレーの資源として再利用が可能だ。循環型社会推進の取り組みに注目が集まりそうだ。25日に開幕する国重要無形民俗文化財「相馬野馬追」で先行販売する。 植物性廃棄物を原料としたセルロース抽出技術を確立した南相馬市のトレ食、リサイクルなどを手がけるいわき市のトラスト企画、石川町のプラスチック金型製造ナガヨシの3社が連携した。トレ食はふくしまベンチャーアワード2022で最高賞の知事賞を獲得。トラスト企画とナガヨシはふくしま産業賞などで受賞している。 製造過程などは【図】の通り。もみ殻はシリカ(ガラス質)が含まれ、利用先がなく廃棄されることが多かった。トレ食がもみ殻からシリカを除去し、セルロースを抽出。トラスト企画がセルロースにポリプロピレンを混ぜ合わせ、プラスチックペレットを作る。ナガヨシがペレットを材料にトレーを成形する。回収したトレーは粉砕し、ポリプロピレンを混ぜ合わせてから再度成形して新しいトレーとして生まれ変わる。
トレーはメッセージなどを刻印できる。食堂やホテル、旅館での使用を想定している。学校給食で採用されれば、食育や環境教育への活用も期待できる。 相馬野馬追でお披露目する。棚倉町の工房遊び心が印刷を手がけたオリジナルデザインのトレーを南相馬市観光協会で購入できる。オープン価格で販売する。 トレ食専務の沖村剛さん(50)、トラスト企画社長の椎名弘直さん(45)、ナガヨシ開発担当の丸本孝太郎さん(63)、遊び心取締役の鈴木梨江子さん(35)は「楽しく環境問題に触れられる商品にしていきたい」と意気込んでいる。