《ブラジル》美尻コンテスト候補者がデモ=相次ぐPMMA手術失敗受け
お尻の美容整形手術が原因でインフルエンサーが死亡したことを受け、美尻コンテスト「ミス・ブンブン2024」候補者27人が9日、サンパウロ市パウリスタ大通りに集結し、アクリル樹脂(PMMA)の適切な使用を訴えるデモを行った。この日は気温11・5度を記録し、今年一番の冷え込みにもかかわらず、彼女たちはビキニ姿で現れ、サンパウロ近代美術館(MASP)前で通行人に呼びかけた。9日付CNNブラジルなどが報じた。 「ミス・ブンブン」とは、美しいヒップを競い合うブラジルらしいミスコンだ。26州と首都ブラジリア連邦直轄地から各1人候補者が選出され、その中からオンライン人気投票で選ばれた15人のファイナリストが、10月上旬に開催される最終選考会に進出。本番では審査員の前で自己PRを行い、審査される。優勝者にはタイトルだけでなく広告契約も与えられる。 主催者によると、このマニフェストは、豊尻手術でPMMA充填をした結果、命を落としたモデルやインフルエンサーたちを追悼するもの。参加者たちはそれぞれ「PMMAにノーを」や「あなたの命は何よりも大切」というフレーズが書かれた用紙を掲げた。 弊紙5日付でも報じた通り、インフルエンサーのアリーネ・マリア・フェレイラさん(33歳)がお尻の美容整形手術を受けた後に亡くなり、国内で大きな議論を巻き起こした。彼女は6月23日にPMMA充填手術を受けた後、翌日に体調不良を訴え始め、29日から集中治療室(ICU)に入院していたが、7月2日に息を引き取った。 先週は「MCプリンセーザ」として知られるインフルエンサーでファンク歌手、レチシア・ミナカペリーさんが、PMMAの使用に関連した合併症により6回もの手術を受けた後、退院した。彼女はCNNの独占インタビューに応じ、PMMA使用による痛みと後悔について告白した。 彼女は「それはもう激痛よ。注入したPMMAを取り除くために電動メスが使われるんだけど、それが体内の組織を焼き切るの。お尻も体も傷だらけ。もしPMMAが人の健康にもたらすリスクを知っていたら絶対に使用しなかったわ」と話した。 その他、2023年6月、モデルでジャーナリストのリジア・ファズィオさん(40歳)が、胸部に工業用シリコンを、臀部にPMMAを充填したことによる合併症で死亡し、大きく報道された。彼女のSNSアカウントには「殺人医師らはいつまでPMMAを人に充填し続けるつもりか? これは犯罪行為だ! 禁止すべきだ」などと、同物質の使用について警鐘を鳴らすコメントが寄せられた。 ブラジル皮膚科学会の会員である皮膚科医のマイラ・カルボーネ医師は、CNNの取材に対し、PMMAの健康へのリスクについて「この物質は重篤な問題を引き起こす可能性がある。プラスチック由来の合成樹脂であり、感染症や腫瘍、塞栓症を引き起こし、最悪の場合、死に至らせることもある」と警鐘を鳴らした。