ヤンキース田中将大の復帰は白紙 最悪手術の可能性も
順調に見えた田中将大の復帰への道のりに突如、暗雲が立ちこめた。右肘靱帯の部分断裂が発覚し、故障者リスト入りしているヤンキースの田中将大投手(25)の9月中旬のメジャー復帰計画が白紙となり、1度は回避の方向だったトミー・ジョン手術(靭帯再建手術)を再考する可能性が出て来た。ヤンキースは29日(日本時間30日)、敵地でのブルージェイズ戦前に、前日28日に2度目の実戦形式の打撃練習に登板して49球を投げていた田中が「腕全体の張りを訴え、遠征先のトロントからニューヨークに戻る」と発表した。 球団公式サイトMLB.COM他、複数のニューヨークメディアの情報を総合すると、遠征先のトロントを出発する前にメディアに対応した田中は、通訳を通じて「慎重にやりたい。数週間投げていなかったので、少し張りが出ている」と状態を説明。「まだシーズンは1ヶ月残っているし、復帰できるように全力を尽くしたい」と、あくまでも復帰を諦めていない心境を語っている。 ヤンキースのジラルディ監督も「我々は(肘という)1カ所に張りがあるか彼に訊ねたところ、全体的な張りで、体を強化するための時間が欲しがっている」と爆弾を抱えている肘に痛みが再発した訳ではないと強調したが、それならば、何故、遠征地を離れて単身、ニューヨークに戻らなければならないのか、疑問が湧くところでもある。3週間ノースローだった投手が、49球のシュミレーションゲームで登板すれば、体全体に張りが出るのは、ある意味、想定内のことだが、田中の体は、それ以上の何かを察知したようだ。 ジラルディ監督は「キャッチボールなどは継続する」と語っており、田中は週明け火曜日に本拠地でチームに合流する予定だが、今後、1週間はブルペン投球練習を回避する方向で、復帰プランがその分、遅れることは確実だ。9月中旬のオリオールズ戦が濃厚と言われた今季中のメジャー復帰は、ヤンキースのプレーオフ進出の芽が絶たれた時点で、事実上、消滅してしまうかもしれない。