主要中銀の12月会合、政策金利は「据え置き」か【三井住友DSアセットマネジメント・チーフリサーチストラテジストが解説】
※本稿は、チーフリサーチストラテジスト・石井康之氏(三井住友DSアセットマネジメント株式会社)による寄稿です。
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■12月は主要中央銀行の金融政策決定会合が開催されます。米連邦準備制度理事会(FRB)は、10月31日~11月1日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、2会合連続の政策金利据え置きを決めました。11月21日に公表されたFOMC議事要旨によると、引き続き経済データ次第で追加の金融引き締めがありうることが示されました。ただし、足元の経済指標はインフレ率の鈍化傾向を示す指標が続いており、FRBは12月のFOMCで3会合連続となる政策金利の据え置きを決めるとみられます。 ■欧州中央銀行(ECB)は10月の理事会で、2022年7月の利上げ開始以来初めて、政策金利を据え置きました。欧州の景気減速が鮮明になるなか、政策金利の一つである預金ファシリティ金利は4.0%とすでに過去最高水準に達していることから、ECBは12月の理事会でも利上げを見送るとみられます。 ■日銀は10月末の金融政策決定会合で長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)を再修正し、長期金利の「上限の目途」を1%として、1%を一定程度超えることを容認しました。その後長期金利が低下していることや、植田総裁が24年の春闘の行方などを見極めて政策判断を行う姿勢を示していることから、12月会合は現状維持となりそうです。 (2023年11月28日) 石井 康之 三井住友DSアセットマネジメント株式会社 チーフリサーチストラテジスト ※上記の見通しは当資料作成時点のものであり、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。今後、予告なく変更する場合があります。 ※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『主要中銀の12月会合、政策金利は「据え置き」か【三井住友DSアセットマネジメント・チーフリサーチストラテジストが解説】』を参照)。
石井 康之,三井住友DSアセットマネジメント株式会社
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