なぜ二輪のヤマハが4輪のオートサロンに? 初出展で見えた同社の狙いとは?
カスタムカーの祭典“オートサロン”に初出展したことで注目が集まったヤマハ発動機。ブースでは同社の“小型低速EVプラットフォーム”をベースに、パートナー企業と共同開発したモデルが多数展示された。事前の出展情報では分からなかったヤマハの狙いとは何だったのか、実際に確認してきた。 【写真】こんな姿だった? ヤマハのコンセプトモデル7台をじっくり見る!(全56枚)
ヤマハの汎用プラットフォームを自由にカスタム!
東京オートサロン2024において、ヤマハのブースでは水素エンジンを搭載した四輪バギー「YXZ1000R」や、市販バイク「XSR125 ABS」も展示されていたが、その他は同社が開発した小型低速EVの汎用プラットフォーム「YAMAHA MOTOR PLATFORM CONCEPT」がベースの7車両が展示されていた。 クルマ業界では一般的にプラットフォームといえばシャシーを指すが、ヤマハの汎用プラットフォームの場合は着脱式可搬バッテリー「Honda Mobile Power Pack e:」を動力とし、ヤマハの電動モーターを搭載した“1~2人乗りのパーソナルモビリティ”程度の条件しか持たせていない。メーカー担当者の話によると、「低速」を謳ってはいるが、コンセプトモデルによっては出力や搭載するバッテリーの数もバラバラで、車体のサイズも自由にしたという。これは、各モデルに具体的な車両区分を設けてしまうと、余計な制限が生まれてしまい、自由な発想を妨げてしまう可能性があるためだという。 こうして、ヤマハはパートナー企業とさまざまなモビリティを共同開発した結果、3輪自転車のようなモデルから生成AIを使った斬新なデザインに、トレーラーを牽引できるパワフルなモデルまで、バラエティに富んだモビリティが展示されることになった。 今回は、会期前の事前情報では分からなかった7台のコンセプトモデルを実際に見てきたので、メーカー担当者から訊いた話や気付いたことを紹介していきたい。 ちなみに各モデル名にはConceptの末尾に番号が振られているが、こちらは開発番号を順にナンバリングしたもの……と、思いきや、各モデルの共同開発に携わったパートナー企業の担当者名などを語呂合わせしたものだと教えてもらった。