[山口県]周南市も3件、計1億円超 教師用指導書など議決経ず購入
山口県内の自治体で必要な議会の議決を経ずに物品を購入、契約するミスが相次いでいる問題を巡り、周南市は4日、過去10年度分で3件のミスがあったと発表した。 議決を経ずに購入したのは2015、20、24年に購入した小学校教師用の指導書と教科書で計1億754万3205円。市条例では2千万円以上の動産の取得について議会の議決を経るべきと規定しているが、いずれも超えていた。 市教委によると、教師用指導書を消耗品として扱い、動産と認識していなかったことが要因という。8月29日に防府市で同様の事案が発覚したことを受け調査して分かった。 市は3件の契約に関する追認議案に加え、市長、副市長、教育長の10月分の給料を10%減額する条例の議案を現在開会中の市議会定例会に提出する予定。 藤井律子市長は「長年にわたり不適切な契約事務処理があったことを重く受け止める。再発防止と法令順守に務める」とコメントした。 ■萩市6件、光市2件、美祢市1件 萩市は4日、必要な議会の議決を経ずに物品を契約、購入するミスが2015年度から6件あったと発表した。同日開会した市議会定例会の会期中に、契約をさかのぼって有効にする追認を得るための議案や、責任を取って市長の給料1カ月分を20%減額、副市長、教育長の給料1カ月分を10%減額する条例改正案を提出する予定。 ミスが判明したのは、19年の消防団ポンプ車1台のほか、15年分と23年分の市民に配布する指定ごみ袋、15、20、24年の教科書改訂に伴う指導書の契約。地方自治法に基づき市が定める条例で、予定価格が2千万円以上の物品を買い入れる際は議会の議決を求めている。今回のミス判明分はいずれも予定価格が2千万円以上だったが実際の予定価格は非公表となっている。 田中文夫市長は市議会定例会の行政報告で概要を説明。「深く反省する。職員の意識強化を図るとともに、事務処理の手順やチェックの体制を改めて見直すなど、組織的な再発防止対策を講じていきたい」と述べた。 ◇ 光市は4日、小学校教師用の指導書の購入を巡り、市議会の議決を経ずに購入した事案が2件あったと発表した。契約を有効にする議案とともに、責任を重く受け止め市長、副市長、教育長の給料1カ月分を10%減額するための条例議案を開会中の市議会定例会に追加提案する。 市教委によると、ミスがあったのは2020年度と本年度。購入金額はそれぞれ約2108万円と2234万円で、いずれも地方自治法に基づく市条例で、議決すべき財産の取得(予定価格2千万円以上)だったという。 ◇ 美祢市は4日、本年度の小学校教師用の教科書と指導書の購入を巡り、市議会の議決を経ずに購入したことが判明したと発表した。契約を有効にするため、今月開会予定の市議会で追認を求める議案を提出する。 購入したのは教師用教科書969冊と教師用指導書1053冊で、金額は計3355万5040円。地方自治法に基づく市条例では予定価格が2千万円以上の動産の取得について議会の議決を経るべきとしている。市教委は同様の事案が過去にないかさかのぼって調査を行うという。