浮世絵風景画の傑作共演 岡山で特別展「北斎と広重 冨嶽三十六景への挑戦」開幕
浮世絵の巨匠、葛飾北斎(1760~1849年)と歌川広重(1797~1858年)の風景画に迫る特別展「北斎と広重 冨嶽三十六景への挑戦」(岡山県立美術館、東京都歴史文化財団東京都江戸東京博物館、朝日新聞社、山陽新聞社主催)が7日、岡山市北区天神町の県立美術館で開幕した。江戸時代の風俗を現代に伝える2人の傑作が共演し、訪れた美術ファンらを魅了している。 江戸東京博物館所蔵の213件を展観。北斎の「冨嶽三十六景」シリーズは、富士山にかかる朝日の赤が鮮烈な「凱風(がいふう)快晴」、幾何学的な構図が印象的な「尾州不二見原」などがずらりと並ぶ。新千円札に採用されることで注目の「神奈川沖浪裏」が14日に登場し、全46図がそろう。 広重の代表作「東海道五拾三次之内」は、江戸から京都までの道のりを旅情豊かに表現。各駅の見どころだけでなく、天気や四季の移ろいまで描写され、鑑賞者は細部まで目を凝らしていた。
一般公開に先立ち開会式があり、松田正己山陽新聞社社長、坂本洋介県文化スポーツ振興監が「独自の画風を確立し、世界で評価される名作を生み出した2人の歩みを浮き彫りにする展覧会。存分に堪能してほしい」とあいさつ。特別協賛の加藤貞則中国銀行頭取ら5人がテープカットした。 7月7日まで。月曜休館。