1点差の敗北で同一カード連勝ならず、アルバルク東京のテーブス海が実感した現在地「優勝するにはまだまだ甘い」
「1点をリードする形で前半を終えることができたのは自分たちの成長」
3月23日、アルバルク東京はこれまで6試合勝てていなかった千葉ジェッツに81-62で勝利した。敵将であるジョン・パトリック・ヘッドコーチの言葉を借りれば、「40点差くらい付けられているような内容」での会心の白星だった。 だからこそ、勝利後のテーブス海は「明日(24日)はもっと速く、もっと強くやってくる」と気を引き締めていた。そして、その予感は的中する。 翌日の千葉Jがディフェンスで見せた速さと強さは、予想以上だったのだろう。開始直後から襲いかかって来るようなプレッシャーを受け続け、序盤のA東京はリズムが作れなかった。強度で圧倒する千葉Jにゲームの主導権を握られ、前半だけで10のターンオーバーを数え、残り6分半には13点差にまでリードを広げられる展開となった。だが、この日のA東京は簡単に崩れない。オフェンスでリズムがつかめないならば、ディフェンスでリズムを立て直せばいい。チームをコントロールしていたテーブスは言う。 「向こうがディフェンスのプレッシャーを上げてきたところで、自分たちはオフェンスでどうにかしようではなく、ディフェンスから集中しました。そうすると、またオフェンスの流れもよくなる。ディフェンスの寄りはすごく良かったと思います」 高く集中を保ったチームディフェンスで流れを引き寄せると、次第に千葉Jの得点が止まり始める。オフェンスではテーブスやレオナルド・メインデルの3ポイントシュートが決まり始め、A東京は前半のうちに逆転に成功。自分たちから崩れず、粘り強く跳ね返す展開に持ち込んだ対応力は成長でもある。テーブスは言葉を続ける。 「今までだったら、一回パンチされてそのままショボンとなって、20点差、30点差を開くゲームもあったんですが、今日はそういう意識ではなかったです。コツコツと取り返すメンタリティーで1点をリードする形で前半を終えることができたのは自分たちの成長だったと思います」 この日のテーブスは味方を生かす流れを作るだけではなく、オープンシュートも冴えていた。第3クォーターには連続で3ポイントシュートを射抜くなど躍動。リズムはA東京が握っており、後半に入ってからもこのままリードを広げていく展開に思えた。